紫斑 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
川名誠司 岩崎皮膚科医院

概要

症状のポイント:
  1. 紫斑とは、紫紅色の斑であり、真皮(~皮下)の赤血球血管外漏出によって生じる皮疹である。
  1. 紫斑は、さまざまな原因による皮膚内の出血で生じる。
  1. 大きさによって、点状紫斑(<直径5mm程度)、斑状紫斑、溢血斑、広範性皮下出血と呼ぶ。出血部位が浅いものは赤紅色、深いものは境界不鮮明な紫赤色から青色で、時間経過とともに黄色調を帯びる。
  1. 紫斑は硝子圧で退色しないことから紅斑と区別できる。
  1. 血液凝固異常や血管異常を念頭に置いて原因検索にあたる。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 大量出血、DICに伴う電撃性紫斑、全身性血管炎に対して、緊急対応が必要である。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 紫斑の原因はさまざまであり、その症状に対する治療は病態に応じて行う。出血傾向を認める場合には、緊急治療を要するかどうかを早急に判断する。血管障害を疑ったときには、血管炎性か非血管炎性(血管機能障害、血栓・塞栓症など)かを診断し、さらに臓器障害を精査したうえ治療方針を決定する。
 
診断へのアプローチ:アルゴリズム(身体診察 >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 紫斑の発症機序は、止血機構の障害と血管の傷害に大きく分けられる。
  1. 粘膜出血を伴うときには止血障害の可能性があるので、血小板検査、血液凝固・線溶系検査を施行する。
  1. 触知性紫斑をみたら、血管炎を疑って病理組織診断をする。
  1. 紫斑とともに持続する発熱、強い関節痛、腹痛、神経麻痺などを伴う場合には、全身性血管炎を疑って全身検索をする。
  1. 紫斑とともに潰瘍・壊死を認める場合は、血栓・塞栓症を疑う。
  1. 高熱、急激に拡大する紫斑、四肢壊死を同時に認める場合は重症感染症を疑い、救急診療科、内科と連携して診療に当たる。
  1. 必要に応じて血液検査(CBC、凝固・線溶スクリーニングなど)、皮膚生検を行い、鑑別をしていく。
 
鑑別疾患:(鑑別疾患のリスト: 鑑別疾患 )
  1. 下記の疾患が頻度が高い疾患、重篤な疾患、まれな治療可能な疾患である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

止血障害のスクリーニング検査例
  1. 紫斑の診断に際しては、まず止血機能の異常を検討する。
○ 止血障害を疑う場合、他のルーチン検査に下記の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

紫斑の診断フローチャート
下腿、大腿の点状紫斑(特発性血小板減少性紫斑病(慢性型):下肢に多発する点状紫斑)
症候性血小板減少性紫斑病の原因
後天性血液凝固異常の原因
後天性凝固因子異常による紫斑
ヒトパルボウイルスB19感染に伴う紫斑
高γ-グロブリン血症性紫斑
全身性アミロイドーシス
老人性紫斑の初診時皮膚症状
ステロイド紫斑の初診時皮膚症状(前腕屈側の紫斑)
著者校正/監修レビュー済
2018/07/23

改訂のポイント:
  1. 2012 international Chapel Hill consensus conference nomenclature of vasculitidesと、Nomenclature of cutaneous vasculitis: Dermatologic addendum to the 2012 international Chapel Hill consensus conference nomenclature of vasculitidesに基づいた血管炎命名の変更。
  1. 重症感染症についての記載を追加。


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