爪の異常 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
東禹彦 東皮フ科医院

概要

疾患のポイント:
  1. 爪の異常は先天性疾患に伴う異常と後天的な原因による異常に分けられる。
  1. 先天的な爪の異常は出生時あるいは生後間もなく生じることが多く、先天性疾患の診断に役立つ。
  1. 先天的な異常で末節部に限局した異常では、末節骨に異常を認める。
  1. 後天的な爪の異常の原因は全身性疾患、皮膚疾患、爪部の感染症、爪部に対する外的刺激、爪部の腫瘍と原因不明の爪母炎である。
  1. 臨床的に重要な爪の異常には、ばち指(右左シャントや心内膜炎、肝硬変など)、スプーン指(鉄欠乏性貧血)、爪下線状出血斑(心内膜炎)、爪白癬(白癬菌感染)、Beau線の形成(強い侵襲により細胞増殖が停止したことを示唆する)などがある。
 
治療: >詳細情報 
  1. 治療は疾患により異なる。(各疾患の治療の説明: >詳細情報 )
  1. 爪の異常は爪部悪性腫瘍を除き生命予後には関係しないが、患者のQOLを低下させることの多い疾患である。
  1. 指爪の病変は実生活においても不便を生じ、社交上、職業上も障害となる。有痛性の疾患では日常生活に支障を生じる。
 
爪の異常へのアプローチ:アルゴリズム(身体診察 >詳細情報 ・鑑別疾患 鑑別疾患 )
  1. 全身性疾患による爪異常:すべての爪に左右対側性に同じ変化をほぼ同時に生じる。全身性疾患に基づくと予想される場合は、検査をオーダーする。爪囲紅斑、ばち状指、スプーンネイル、黄色爪などは重篤な疾患を背景に持つことがあるため精査を行う。 >詳細情報 
  1. 皮膚疾患による爪の異常:皮膚のどこかに皮疹を生じていることが多い。
  1. 爪部の感染症による爪の異常:爪部に起因菌が存在する。
  1. 爪部に対する外的刺激による爪の異常:爪に特異な変形を生じる。
  1. 爪部の腫瘍による爪の異常:腫瘍による爪甲の変形を認めることが多い。末節部のX線撮影、組織検査を行う。爪部の肉芽様病変の場合も組織検査を行う。 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

鑑別のための検査例(頻度の多い疾患)
  1. 全身性疾患に基づくと予想される疾患では、検査をオーダーする。
  1. ボー線条や爪甲の脱落はコクサッキーA6感染に起因する手足口病罹患後に生じるので、罹患の有無を問診する。
  1. 爪部の腫瘍では末節部のX線撮影を行う。
  1. 爪部の腫瘍では組織検査を行う。
○ 全身性疾患に基づくと予見される場合は下記を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

爪の異常のアルゴリズム
全身性疾患による爪異常:ばち状指
全身疾患による爪異常:黄色爪症候群
全身疾患による爪異常:爪甲層状分裂症
全身疾患による爪異常:爪囲紅斑
皮膚疾患による爪異常:爪乾癬
皮膚疾患による爪異常:爪乾癬
皮膚疾患による爪異常:爪扁平苔癬
皮膚疾患による爪異常:扁平苔癬
皮膚疾患による爪異常:掌蹠膿疱症
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01


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