糖尿病性皮膚潰瘍(糖尿病足病変) :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
中西健史 滋賀医科大学 医学部医学科 皮膚科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 糖尿病性皮膚潰瘍は、血行障害、神経障害、感染症のいずれか、もしくはこれらが組み合わさって起こる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 潰瘍、壊疽の診断は容易であるが、それが糖尿病によるものかどうかを診断するためには多くの検査が必要である。
  1. 潰瘍、壊疽を来す疾患は多く、単なるPAD(peripheral arterial disease)、いわゆるblue toe症候群、血管炎、強皮症などの結合組織病、外傷、熱傷、靴擦れなどを念頭に置いて除外していく必要がある。
  1. きわめて大ざっぱな分類であるが、大まかに血行障害性であれば末梢から病変が進行し、神経障害性であれば関節の突出部に生じることが多い。
 
治療:
  1. 治療は全身の治療と局所の治療に分かれる。
  1. 全身の治療は、血行障害、神経障害、感染症を評価したうえで行われる。
  1. 局所の治療は、壊死組織の除去、肉芽形成、上皮化のステップに従い、適宜、外用剤や創傷被覆材を使用する。滲出液、浮腫、感染など創傷治癒の増悪因子を少なくし、治癒にむかう環境を整えることが治療を進めていくうえでのポイントになる。
  1. 早期発見、看護師と連携した予防、手に負えなくなったときの他科との連携をいかに手際よく行うかが重要である。特に軽症のうちに病変を食い止めることが、皮膚科医として他科からも期待されるだけに、正確な診断および重症度評価ができるようにトレーニングを積んでおきたい。
  1. 下記に、血行障害、神経障害、感染症の簡単なスクリーニング方法と、血行障害、神経障害、感染症、局所療法、疼痛対策について代表例を示す。
 
臨床のポイント:
  1. 糖尿病性皮膚潰瘍は血行障害、神経障害、感染症が介在するので、まずこれらの評価と治療介入してから局所治療を行わないと奏効しない。
  1. 局所治療は創面評価に基づいて外用剤や創傷被覆材を選択する。
  1. 悪化する前に糖尿病足病変専門医に紹介する。疼痛緩和も重要である。
 
※「臨床のポイント」は監修者による執筆です。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

血行障害の評価方法例
  1. 血行障害の評価目的で、虚血性動脈疾患の検査を行う。
  1. 多くの医療機関で実施可能な検査であり、ABI(ankle brachial index)が0.9を切るようであれば、循環器内科や血管外科にコンサルトする必要がある。baPWV(brachial ankle pulse wave velocity)もしくはCAVI(cardio ankle vascular index)が高値であったり、X線で血管が映るようであれば、かなり高度な動脈硬化と解釈する。
○ PADを疑う患者では下記の1)2)を行う。透析患者かつPAD疑いでは、3)を行う。

追加情報ページへのリンク

  • 糖尿病性皮膚潰瘍(糖尿病足病変)に関する詳細情報
  • 糖尿病性皮膚潰瘍(糖尿病足病変)に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 糖尿病性皮膚潰瘍(糖尿病足病変)に関する画像 (40件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

主要動脈
angiosome
足の断面模型
足を構成している骨
足の筋腱
足のアーチ構造
発生部位から見た類推法
糖尿病足病変・潰瘍の発症機序
神経障害:爪の食い込みで起こる潰瘍
神経障害: kissing ulcer
著者校正/監修レビュー済
2018/07/23


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