伝染性軟属腫 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
新関寛徳 (国立研究開発法人)国立成育医療研究センター感覚器・形態外科部皮膚科

概要

疾患のポイント:
  1. 伝染性軟属腫とは、ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスの感染による。一般には、「水いぼ」の名で知られる。
  1. 小児に好発する。エイズ患者では顔面に多発する例もある。
  1. 潜伏期間は14~50日とされる。
  1. 患者からの直接的または間接的接触感染により伝播する。後者ではタオルや水泳時のビート板などの共用が原因となることが知られている。
  1. アトピー性皮膚炎患児では、皮膚バリア機能が破綻していることが多く、本症が生じやすい。
 
診断: >詳細情報 
  1. 特徴的な臨床像より、診断は容易である。
  1. 表面は平滑で光沢があり、中心部は臍窩状に陥凹する。
  1. ピンセットで圧すると、乳白色の粥状物質を疣贅内容物として認める。それを認めない場合、診断を再考すべきである。
  1. 鑑別すべき疾患には、光沢苔癬、稗粒腫、若年性黄色肉芽腫、ランゲルハンス細胞組織球症などがある。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. おおむね数カ月から数年で自然消退する。
  1. 成人にみられるとき、難治例、異常な大きさであるときは、免疫不全を来す基礎疾患の存在を疑う。
 
治療: >詳細情報 
  1. トラコーマ鑷子(<図表>)などで摘除する。トラコーマ鑷子による圧出にはコツがある。疣贅をちぎり取るのではなく、内容物を圧出するイメージで使用する。
  1. さらには潜伏期間を考慮して2週間後に1回程度フォローアップするとよい。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. トラコーマ鑷子以外でつまむとさらに痛みが増すので、この器具を日常使いこなしているという点で、皮膚科専門医の受診を促す。
  1. アトピー性皮膚炎を合併している場合も、スキンケア指導が予後に影響するので皮膚科専門医の受診を促す。
 
臨床のポイント:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

スキンケア例
  1. 周辺の湿疹を認めたら、保湿剤、ステロイドなどで加療を行う。
  1. 皮膚バリア機能の修復により感染予防、拡大の阻止に重要と考えられる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

伝染性軟属腫治療アルゴリズム
伝染性軟属腫と周囲の湿疹病変(アトピー性皮膚炎合併例)
ランゲルハンス細胞組織球症
若年性黄色肉芽腫
光沢苔癬
伝染性軟属腫(腹部)
トラコーマ鑷子
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01