今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 髙橋 聡 札幌医科大学 医学部 感染制御・臨床検査医学講座

監修: 中川昌之 公益財団法人 慈愛会 今村総合病院 泌尿器科顧問

著者校正/監修レビュー済:2025/03/12
参考ガイドライン:
  1. 日本性感染症学会:性感染症診断・治療ガイドライン 2020
患者向け説明資料

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus、HPV)の遺伝子型6型または11型の性的接触感染による性感染症の1つで外陰部周辺にできる疣贅(イボ)である[1]
  1. 6型または11型HPVは低リスク型に分類されるが、尖圭コンジローマからもまれに検出される16、18、31、33型HPVなどは高リスク型に分類され子宮頸癌や外陰癌などの1つの発症要因になっている[2]
  1. 手足に発症する尋常性疣贅は低リスク型の2、27、57型HPVにより発症する。
  1. 低リスク型と高リスク型HPVを検出する遺伝子診断法は尖圭コンジローマには保険適用はなく、主に視診で診断する。
  1. 感染後2~3カ月の潜伏期を経て外陰部周辺に疣贅が発症する。
  1. 感染症法の五類感染症の定点報告疾患に分類されて、厚生労働省の「感染症発生動向調査」の1つとしてサーベイされている。
  1. サーベイの結果では、性感染症のうち、男性ではクラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎、性器ヘルペスに次ぎ、4番目に流行している。また女性ではクラミジア性子宮頸管炎、性器ヘルペスに次ぎ、3番目に流行している。
  1. 流行の年次推移では2006年までは若干増加傾向が続いていたが、2007年から一時減少傾向を示したものの、2012年から2017年まで再び男性では増加傾向にある。
  1. 複数の治療法があるが、1つの治療法では完治せず、他の治療法に変更する必要のあることがある。また再発の頻度も25%前後と高い[3]
 
問診・診察のポイント  
  1. 性的接触で感染し、潜伏期が2~3カ月なので、その頃の感染機会を確認する。

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監修:中川昌之 : 特に申告事項無し[2024年]

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尖圭コンジローマ(男性)

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