粉瘤 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
是枝哲 天理よろづ相談所病院 皮膚科

概要

疾患のポイント:
  1. 粉瘤とは最も一般的な皮内もしくは皮下腫瘍であり、表皮嚢腫(epidermal cyst)と毛包嚢腫(trichilemmal cyst)を含むものである。
 
診断: >詳細情報 
  1. 触診し、被覆表皮と癒着し下床とは可動性があれば、まず粉瘤と考える。
  1. 「へそ」と呼ばれる毛包性中心凹窩を見つければ診断は容易である(<図表> )。鑑別疾患として石灰化上皮腫や脂肪腫をはじめとする軟部組織腫瘍がある。
  1. 視診、触診で診断に自信がないときは、画像検査をオーダーする。<図表>
 
治療: >詳細情報 
  1. 炎症を起こしている場合は、抗菌薬の投与、切開排膿などを検討する。炎症の初期であれば抗菌薬の内服のみで軽快するが、炎症が高度であれば、数日以内に嚢腫壁が破れ排膿することが多いため、切開することが望ましい。<図表>
  1. 良性腫瘍であるので、必ずしも切除の必要はないが、整容的な目的や感染を繰り返す場合には手術をすることが望ましい。手術法は紡錘形に切開し嚢腫を摘出する方法と、トレパンを用いたへそ抜き法がある。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 自施設では手術を施行できない状態で、患者が手術を希望する場合は、手術可能な施設に紹介する。皮膚科以外では形成外科に紹介するのが適当である。
 
臨床のポイント:
  1. 表皮嚢腫なので、下症と可動性のある皮内腫瘍で、中央に開口部があれば診断は容易である。
  1. 嚢腫壁の破裂や感染により炎症性粉瘤となった場合は切開もやむを得ないが、基本的には炎症消退後の切除が望ましい。
  1. 鑑別すべき皮下腫瘍があるときは超音波断層撮影などの画像診断をする。
 
※「臨床のポイント」は監修者による執筆です。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

鑑別のための画像診断方法例
  1. ほかの皮下腫瘍と見分けがつきにくい場合は、超音波断層撮影(<図表>)かMRIなどの画像診断が有用である。
○ 粉瘤の画像診断には、特に超音波断層撮影が有用である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

粉瘤アルゴリズム
顔面の粉瘤(毛包性中心凹窩がはっきり確認できる症例)
手術症例(紡錘形切除)
へそ抜き法による手術症例
切開写真(粥状の内容物)
高度な炎症性粉瘤
炎症性粉瘤、ステロイド局注による治療
足底の粉瘤
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01