熱傷

著者: 尹 浩信 熊本大学 皮膚病態治療再建学講座

監修: 戸倉新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科

著者校正/監修レビュー済:2020/02/19

概要・推奨  

  1. 熱傷深度の推定方法として、臨床症状による分類を推奨する(推奨度2)。
  1. 熱傷面積の推定方法として、9の法則、5の法則およびLund & Brodwerの法則、手掌法がある(推奨度2)。
  1. 熱傷の重症度判定のツールとして、Artzの基準を用いることを推奨する(推奨度2)。
  1. 熱傷面積が成人では15%TBSA(total body surface area)程度以上、小児では10%TBSA程度以上に対して輸液療法を行う(推奨度2)。
  1. 初期輸液はParkland法(Baxter法)を用いて、輸液療法を開始する(推奨度2)。
  1. 輸液の投与速度は、尿量を指標とする。成人で0.5ml/kg/時もしくは30~50ml/時、小児で1~2 ml/kg/時以上に尿量を維持するように輸液速度を調整する(推奨度2)。
  1. 閉所での受傷、熱い蒸気または液体の吸引などでの受傷などの受傷機転、口または痰の中のスス、鼻毛先端の焦げ、顔面の熱傷などの身体所見は気道熱傷の存在を疑う所見である(推奨度2)。
  1. 気道熱傷が疑われる場合、可能であれば予防的挿管を行う(推奨度2)。
  1. 肛門周囲創部への便汚染によるガーゼ交換の回数、創部感染や尿路感染の頻度を減らせる可能性があるため、患者の全身状態、創部の状態などを考慮しつつ、排便管理チューブを使用することを推奨する(推奨度3)。
  1. II度熱傷に対する局所療法の選択肢の1つとしてドレッシング材の中では、ハイドロコロイド、ハイドロジェル、ポリウレタンフィルム、キチン、ポリウレタンフォーム、アルギン酸塩、ハイドロファイバーを推奨する(推奨度3)。
  1. II度熱傷の初期治療には、ワセリン、酸化亜鉛(サトウザルベ)、ジメチルイソプロピルアズレン(アズノール軟膏)などの油脂性基剤軟膏を選択肢の1つとして推奨する(推奨度3)。
  1. 広範囲III度熱傷にはスルファジアジン銀を推奨する(推奨度3)。
  1. 小範囲III度熱傷に対し、壊死組織除去を目的とした外用薬としてブロメライン、カデキソマー・ヨウ素、デキストラノマー、スルファジアジン銀を推奨する(推奨度3)。
 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、推奨度について加筆修正を行った。


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