口腔乾燥症 :トップ    
監修: 近津大地 東京医科大学
砂川正隆 昭和大学医学部生理学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 口腔乾燥症(ドライマウス)とは、狭義には唾液分泌低下があり、自・他覚的な口腔乾燥症状を認めるものをいう。
  1. 欧米の疫学調査では人口の最大約25%が口腔乾燥症に罹患しているとの報告があり、これをわが国に換算すると約3,000万人の本症の潜在患者数が推定されている。
  1. 自覚症状として乾燥感を訴えるが明らかな唾液分泌量の低下を認めない症例から、著明な唾液分泌量の低下とそれに伴う顎口腔機能異常を認めるものまで多岐にわたる。
  1. 口腔乾燥症に併発して生じる疾患として、う蝕や歯周病(<図表>)のほかにカンジダ症、誤嚥性肺炎、萎縮性胃炎、摂食嚥下障害、口臭などがある。
  1. 発症年齢は60~70歳の女性に多い。20歳代で発症することもあり、最近は男性にも増加傾向である。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 問診
  1. 口腔症状の経過の確認(乾燥感、粘稠感、口腔粘膜の疼痛、刺激痛、構音障害、嚥下障害、口臭、義歯による疼痛)
  1. 全身的既往歴・現病歴
  1. 発症リスクの確認(特に服薬歴、鼻疾患・膠原病の既往歴、口呼吸、放射線照射歴、更年期)
  1. 服用中の薬が原因であるケースも多い。
  1. シェーグレン症候群の場合、約4割が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎などに合併する二次性シェーグレン症候群である。口腔内の症状以外にも眼や関節などの症状も確認する。
  1. 生活習慣(喫煙歴)
  1. 心理状態(ストレス)
  1. 口腔の診査
  1. 唾液分泌機能検査(安静時と刺激時の唾液量を測定する)
  1. シェーグレン症候群では唾液分泌量の検査に加え、口唇腺生検(<図表>)、耳下腺造影(<図表>)、シンチグラフィーなどを実施し、厚生省の1999年シェーグレン症候群改訂診断基準か、米国・欧州合同検討グループの診断基準にて診断する。
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評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

口腔乾燥症の治療例
  1. 問診などにより症状と発症リスクの確認後、口腔内診査、唾液量検査を行い、シェーグレン症候群が疑われたら詳細な検査1)~3)などを行い、それぞれの原因に対して対処する。
〇 シェーグレン症候群の診断がついた患者には4)5)のいずれか、また6)を適宜使用する。カンジダ症の診断がついた患者に7)~9)のいずれか1つを用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

ドライマウスの診断手順
口腔乾燥症を引き起こす可能性のある薬剤例
唾液腺造影
口唇唾液腺生検
ナイトガード(保湿装置)
う蝕ならび歯周病
乾燥した舌
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01