大腸ポリポーシス :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
飯田聡 太田綜合病院附属 太田西ノ内病院

概要

  1. 大腸癌治療ガイドライン医師用2016年版
の発表に伴い、現在アップデート中
 
疾患のポイント:
  1. 大腸粘膜に生じた異常増殖性病変を大腸腺腫と呼び、その腺腫が多発したものを大腸ポリポーシスという(通常100個以上)。
  1. 腺腫の組織像(腺腫性、過誤腫性など)と遺伝性をもとにした分類が行われている。<図表>
  1. 代表的な疾患である家族性大腸腺腫症(FAP)は、第5染色体長腕に存在するAPC遺伝子の変異により生じ、発がんリスクが増加する疾患であり、常染色体優性遺伝の形式をとる。放置すれば必ず大腸癌が生じる。

診断: >詳細情報 
  1. 以下の基準を満たす場合、FAPとする。ただし、2)の場合、attenuated FAP (AFAP)と呼ぶ。
  1. 1)100個以上の大腸腺腫を認めたとき(家族歴を問わない)。
  1. 2)10~99個の大腸腺腫を認め第1度近親者にFAPの家族歴がある。
  1. 3)APC遺伝子変異を有し、大腸腺腫を発生する。
  1. FAPの随伴病変として胃底腺ポリポーシス、十二指腸腺腫、類表皮嚢胞、骨腫、デスモイド、網膜色素上皮肥厚(CHRPE)があり、これらの存在は補助診断として有用である。
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. FAPの大腸外病変として、胃ポリープ、十二指腸腺腫、小腸腺腫、骨腫、デスモイド、網膜色素上皮肥厚(CHRPE)、甲状腺腫がある。
  1. 特に、デスモイド腫瘍はFAP患者の8~20%に認められ、死因の3~8%を占める。CTやMRIによって診断され、特にMRIは腫瘍のactivityに関する情報も与える。
  1. また、十二指腸腺腫はFAP患者の50~90%に認められ、十二指腸癌の累積発生率は57歳で4.5%と考えられている。十二指腸癌はFAP患者の死因の約3%を占めるため、FAP患者では25~30歳時から十二指腸のサーベイランスを開始する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 腺腫密度の違いが臨床経過や治療法に影響するため、腺腫の数による亜分類が行われている。(大腸腺腫症の重症度分類:<図表>
 
治療: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

スクリーニング
  1. スクリーニングを開始する時期や検査の間隔は腺腫から癌への転換リスクに依存している。
  1. 典型的FAPでは、リスクのある血縁者に対しては2年ごとの大腸内視鏡検査を10~12歳から開始する。ただし腺腫を認めた場合は1年ごとに施行することが推奨されている。
  1. Attenuated FAP(AFAP)では、リスクのある血縁者に対しては2年ごとの大腸内視鏡検査を18~20歳から開始する。ただし腺腫を認めた場合は1年ごとに施行することが推奨されている。
○ FAP・AFAPでは、定期的に下記検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

多発性大腸腺腫の診断過程
消化管ポリポーシスの分類
大腸腺腫症の重症度分類
FAPに対する手術術式
FAP患者における20歳未満で診断された大腸癌症例数
スピゲルマン分類と十二指腸腺腫に対する検査、治療
腹腔内デスモイド腫瘍のChurchらの病気分類と治療法の選択
FAPに対する大腸切除後の残存直腸と主な大腸外随伴病変に対するサーベイランス
FAP患者の外科切除標本
典型的FAP(a)とAFAP (b)の内視鏡像
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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