上腸間膜動脈閉塞症・上腸間膜静脈血栓症

著者: 錦織直人1) 一路会錦織病院

著者: 中島祥介2) 奈良県立医科大学 消化器・小児外科・乳腺外科学教室

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2016/12/28

概要・推奨  

上腸間膜動脈(SMA)閉塞症:
  1. 疾患のポイント:
  1. 上腸間膜動脈閉塞症とは、血栓、塞栓を原因として発症する腸管・腸間膜虚血症で致死的な腹部救急疾患である。
  1. 10万人に5.3~8.6人に発症し、腸間膜血管閉塞疾患の約7割を占め、塞栓症が約7割、血栓症が約3割と報告されている。
  1. 死亡率は24~94%と高率である。広範囲な小腸壊死を生じると、いったん救命しても術後短腸症候群を来し、免疫能低下や静脈栄養離脱困難となる。また動脈塞栓症の場合、多発塞栓が高頻度であり注意を要する。
  1. 診断: >詳細情報 
  1. 初期には激烈な腹痛や下痢が出現し、進行すると腸管壊死より汎発性腹膜炎を来しショック状態に陥る。
  1. 確定診断には正診率の高さと低侵襲性より、まず腹部造影CTが選択される。SMAの途絶像やsmaller SMV sign(SMV径<SMA径)を認める。腸管壊死の場合、門脈内ガス像を認める場合もある。
  1. 血管造影は最も診断能が高く、血管の途絶像と血流が途絶した腸管範囲の同定ができる。
  1. SMA閉塞症では基礎疾患として循環器系疾患を合併している場合が多く問診が必要である。
  1. 治療: >詳細情報 
  1. 発症早期で腸管壊死に至らなければIVRによる血栓溶解療法が考慮される。腸管壊死が疑われる際は早急に外科的治療を行う。(手術情報: >詳細情報 )
  1. 専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 本疾患を疑い腹部造影CTで確定診断がついた場合、専門医に相談する。

上腸間膜静脈(SMV)血栓症:
  1. 疾患のポイント:
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. MDCTによるdynamic studyを用い、腸管血流と血管内血栓を評価する。
  1. 上腸間膜動脈閉塞症では、SMAの途絶像やsmaller SMV sign(SMV径<SMA径)を認める。腸管壊死の場合、門脈内ガス像を認める場合もある。
  1. 上腸間膜静脈血栓症ではSMV内血栓を同定する。腸管壁・腸間膜の浮腫様肥厚や造影不良、血栓部より末梢の静脈拡張像を認める。
○ 本疾患を疑う場合、下記検査は必須である。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)


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