悪性リンパ腫:小腸・大腸 :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
神藤英二 橋口陽二郎 防衛医科大学校 外科

概要

疾患のポイント:
  1. 腸管を原発とするリンパ腫は、節外性リンパ腫(リンパ腫全体の24~48%)のうちの5~15%を占める疾患である。
  1. 分類は2008年WHO分類第4版が用いられる。腸管に発生するリンパ腫は、腸管のリンパ組織から発生し、そのほとんどはB細胞性非ホジキンリンパ腫である。成熟B細胞腫瘍の範疇に属するびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL)の頻度が高く(40%程度)、次いで粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)が多い(30%程度)。その他、濾胞性リンパ腫、Burkittリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫も認められる。
  1. 実際の臨床では、低悪性度B細胞性(MALTリンパ腫・濾胞性リンパ腫)、高悪性度B細胞性(DLBCL・Burkittリンパ腫・マントル細胞リンパ腫)、T細胞性に分類されることが多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 小腸・大腸の悪性リンパ腫の確定診断は組織診断にてなされる。組織採取のため、内視鏡生検またはCTガイド下生検を行うが、適切でないときは開腹生検が行われる。組織検索によるWHO分類が重要で、腸管原発ではびまん性大細胞型B細胞リンパ腫とMALTリンパ腫が多い。
  1. マーカーとしてsIL-2Rの有用性が高い。
  1. B症状(発熱、体重の減少、盗汗[顕著な寝汗])やperformance status、年齢、病期、LDH値、節外性病変数、sIL-2Rは予後因子として重要とされる。
 
ステージング:
  1. 消化管悪性リンパ腫の病期分類はLugano国際分類が用いられる。また他のリンパ腫と同様、Ann Arbor分類も利用される。進展の程度を評価するために、CT、PETを行う。
  1. 臨床病期分類(Lugano国際分類):<図表>
 
治療: >詳細情報 
  1. 実臨床では、緊急手術の適応のある場合は救命を第一に手術を行う。安定した病態では、WHO分類に基づいた診断、病期分類に基づき治療を選択する。
  1. びまん性大細胞型B細胞リンパ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

腸管の悪性リンパ腫を疑ったときの検査例
  1. 小腸・大腸の悪性リンパ腫の確定診断は組織診断にてなされる。組織採取のため、まず侵襲的な内視鏡検査などから始める。
○ 診断のため、まず下記の検査が必要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

悪性リンパ腫における治療方針の選択
悪性リンパ腫の小腸造影像(非狭窄型)
回腸悪性リンパ腫のMRI像(前額断)
悪性リンパ腫の小腸造影像(動脈瘤型)
回盲部悪性リンパ腫による腸重積(注腸造影およびCT画像)
多発性ポリポーシス型の肉眼所見および病理所見
小腸内視鏡検査による悪性リンパ腫の検索
臨床病期分類(Lugano国際分類)
改訂Ann Arbor 分類
回盲部における悪性リンパ腫像
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28


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