今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 森川昇玲1) 新小山市民病院 消化器内科

著者: 山本博徳2) 自治医科大学 消化器内科学部門

監修: 上村直実 国立健康危機管理研究機構 国府台医療センター

著者校正済:2025/01/29
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本消化器病学会消化性潰瘍診療ガイドライン2020
  1. 日本消化器内視鏡学会:小腸内視鏡診療ガイドライン(2015)
  1. 日本消化管学会:大腸憩室症(憩室出血・憩室炎)ガイドライン(2017)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。
  1. 患者向け説明資料の一部を修正した。

概要・推奨   

診断
ポイント
  1. 出血源の鑑別診断として、最も頻度が多い上部消化管疾患を常に想起する。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 下血・血便とは、消化管からの出血が肛門より排出されることである。“下血”は消化管出血による肛門からの血液排出の総称として用いられる場合もあるが、狭義には上部消化管出血による黒色便を指す。一方“血便”は下部消化管出血による赤色便を指す。
  1. 上部消化管出血でも出血速度が速い(顕出血)場合、排泄される便の色は赤色調となる。
  1. 血液が消化管内に長く滞留すると、血液中のヘモグロビンが胃液や他の消化液、腸内細菌などにより変性を受け血液が黒色に変色する。
  1. 欧米では、血液の混じった黒色便の排出をmelenaと呼び、赤色便の排出をhematocheziaと呼んでいる。
  1. melenaには下血、hematocheziaには血便という邦訳が用いられている。
  1. タール便(tarry stool)は黒色便のなかに包括されるが、便中の水分が吸収され少なくなった状態で光沢のある真っ黒いネバネバしたコールタールに似た外観を特徴とする。
問診・診察のポイント  
  1. バイタルサインをチェックし緊急の容体(ショック、プレショック)でなければ問診や検査を行う。

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最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
森川昇玲 : 特に申告事項無し[2024年]
山本博徳 : 講演料(富士フイルム(株),富士フイルムメディカル(株)),企業などが提供する寄付講座(富士フイルム(株),富士フイルムメディカル(株))[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

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下血・血便

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