鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニア :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
和田則仁 北川雄光 慶應義塾大学医学部一般・消化器外科

概要

疾患のポイント:
  1. ヘルニア(hernia)とは、体内の臓器などが、本来あるべき部位から脱出した状態を指す。
  1. 鼠径部ヘルニアとは、大腿ヘルニアおよび鼠径ヘルニア(外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア)からなる。
 
鼠径ヘルニア: >詳細情報 
  1. 鼠径ヘルニアは鼠径部の膨隆を主症状とする。一般外科領域で最もよくみられる良性疾患の1つである。治療法は手術で、術式はメッシュを用いたテンションフリー法が基本となる。再発や慢性疼痛などの合併症がない手術を心がける。
  1. 外鼠径ヘルニアは内鼠径輪から男性では精索を通り、内鼠径ヘルニアは精索を通らずに鼠径管後壁から直接脱出する。
 
大腿ヘルニア: >詳細情報 
  1. 大腿ヘルニアとは、腹部臓器が大腿輪を通って大腿管に突き出るもので、大腿部に膨隆を起こすヘルニアである。ヘルニア門(大腿輪)が狭く、嵌頓を起こしやすい。
  1. 大腿ヘルニアは高齢女性に多くみられ、腸管の嵌頓を来すことがある。治療法は鼠径ヘルニアと同様に手術である。
 
腹壁ヘルニア: >詳細情報 
  1. 腹壁ヘルニアとは、腹壁の先天的または後天的脆弱部、もしくは欠損部位から腹腔内臓器が脱出した状態のことであり、臍ヘルニア、上腹壁ヘルニア、半月状線ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアがある。
  1. 腹壁ヘルニアで最も多いのが腹壁瘢痕ヘルニアである。腹部手術後の筋膜の欠損部がヘルニア門となる。欠損部の大きさや位置により術式が異なる。
 
臨床のポイント:
  1. 鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニアは良性疾患であり、手術適応は相対的である。
  1. 嵌頓ヘルニア、絞扼性ヘルニアでは原則手術を行う。
  1. 典型的な所見を示さないヘルニアでは、CT・エコーなどの画像診断を考慮する。
  1. 手術はメッシュを用いたテンションフリー術式が標準である。
  1. 近年、腹腔鏡手術の有用性が示されているが、手術手技に習熟した外科医が行うべきである。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価例(待期手術患者)
  1. ヘルニアを診断する。
  1. 手術適応を判断する。
  1. 手術リスクの評価を行う。
○ 待機手術の場合、1)~3)を行い、必要に応じて4)、5)、6)を行う。

追加情報ページへのリンク

  • 鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニアに関する詳細情報
  • 鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニアに関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニアに関するエビデンス・解説 (11件)
  • 鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁ヘルニアに関する画像 (20件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

成人男性鼠径ヘルニア治療指針
鼠径部ヘルニアの診断に関するアルゴリズム
右鼠径ヘルニアの単純CT像
半月状線ヘルニア(spigelian hernia)
左巨大鼠径ヘルニア
大腿ヘルニア(右、腹腔側)
両側鼠径ヘルニア
腹壁瘢痕ヘルニア
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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