ムンプス(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
田中 孝明 川崎医科大学総合医療センター 小児科

概要

疾患のポイント:
  1. ムンプス(流行性耳下腺炎、おたふくかぜ)とは、有痛性の唾液腺腫脹や発熱を伴うウイルス感染症である。唾液など気道分泌物の飛沫や接触によりヒトからヒトへ感染する。潜伏期間は通常12~25日間である。
  1. ムンプスは学校保健安全法に定める第2種学校感染症疾患であり、「耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」出席停止とする。また、ムンプスは感染症法5類感染症であり小児科定点医療機関では週単位で届出をする必要がある。唾液からのウイルスは耳下腺腫脹7日前から9日後くらいまで分離されるが、特に腫脹1~2日前から腫脹後5日までが他人への感染源となりやすい。ワクチンにより予防可能な疾患である。
  1. わが国におけるムンプス流行の推移(1982~2016年第35週):<図表>
  1. ムンプスの年別・年齢群別割合:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 臨床症状やムンプスの既往、ワクチン接種の有無、周囲の流行状況、ムンプス以外の耳下腺腫脹を呈する疾患の除外から診断する。
  1. 確定診断のためには、① 唾液、尿、髄液などからのウイルス分離または遺伝子の検出(RT-PCR法、LAMP法)、② EIA 法による血清IgM抗体の検出またはペア血清でのIgG 抗体価の有意な上昇(通常2倍以上)――などが用いられる。保険適用の範囲ではEIA法を用いることが多い。
  1. ムンプス患児の唾液腺腫脹:<図表>
  1. ムンプスの主要症状と合併症:<図表>
  1. 正常耳下腺と耳下腺腫脹:<図表>
 
原因疾患・合併疾患: >詳…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

微生物学的評価例
  1. 診断に悩ましい場合や反復例・重症例・合併症例において、就学や就業許可の判断、他の疾患除外など確定診断の必要があるときに行う。
  1. EIA法による血清ムンプスウイルスIgM抗体の検出、ペア血清(急性期および回復期)でのIgG抗体価の有意な上昇(2倍以上)により診断が確定する。
○ 確定診断の必要がある場合、他のルーチン検査に追加し、シングル血清での1)またはペア血清での2)の検査を行う。ただし、発症から第2病日以内の IgM[EIA] は偽陰性となる場合があることに注意する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

初診時のムンプス管理計画
ムンプスウイルスの体内での増殖動態
わが国におけるムンプス流行の推移(1982~2016年第35週)
ムンプスの年別・年齢群別割合(2000~2010年第39週)
ムンプスの主要症状と合併症
ステンセン管開口部(矢印)
ムンプス含有ワクチンが定期接種として導入されている国(2015年)
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27