今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松原篤 弘前大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座

監修: 森山寛1) 東京慈恵会医科大学附属病院

監修: 小島博己2) 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正/監修レビュー済:2023/06/07
参考ガイドライン:
  1. ガイドラインはないが、比較的新しい書籍として下記を推薦する。
  1. 「反復性耳下腺炎.あたらしい耳鼻咽喉科・頭頸部外科」.香取幸夫、日高浩史編、中山書店 2020、p305
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記の修正を行った。
  1. 発症は主に一側であること。
  1. ステノン管開口部からの膿汁流出を認めた場合は細菌感受性検査も施行すること。
  1. 症状が強い場合の第一選択はアモキシシリン(AMPC)などのペニシリン系抗菌薬の使用を検討すること。

概要・推奨   

  1. 小児の反復性耳下腺炎は、小児期に耳下腺腫脹を来す疾患のなかでムンプスに次いで多い疾患である。2~5歳ごろに初発し、多くの症例では10歳ごろまでに自然に治癒する。
  1. 口腔内の常在菌や弱毒菌が耳下腺管から逆行性に感染することにより、主に一側の耳下腺炎を発症する。初発時期や反復の頻度などを丁寧に問診する。
  1. 触診では、耳下腺がやや硬めで表面がゴツゴツとした感触で触れる。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 小児の反復性耳下腺炎は、小児期に耳下腺腫脹を来す疾患として、流行性耳下腺炎(ムンプス)の次に頻度が高い。
  1. 症状の初症は2~5歳ごろを中心として、乳幼児期から10歳ごろまでが多い。
  1. 一側の耳下腺腫脹を来す例が多いが、同時期に両側が腫脹する例や時期の異なる例などさまざまである。
  1. 末梢の耳下腺導管が嚢状に拡張しており、口腔内の常在菌や弱毒菌の逆行性感染により発症する。
  1. 初発後に数年経過すると腫脹回数が減少し、自然に軽快することが多い。
 
  1. 小児反復性耳下腺炎の概要
  1. 小児の反復性耳下腺炎は、小児期に耳下腺腫脹を来す疾患の中でムンプスに次いで多い疾患である。口腔内の常在菌や弱毒菌(Streptococcus viridansNeisseria)が耳下腺管から逆行性に感染することにより、一側または両側の耳下腺炎を発症する。2歳前後に初発することもあり、先天的な耳下腺管末梢導管の形態異常も病因として推定されている。
  1. 初回の感染時にはムンプスとの鑑別が困難なことがあり、ウイルス抗体価を測定しておくことは、鑑別診断に有用である。また、頻度は少ないものの、年齢層がやや高い小児であれば耳下腺気腫や小児シェーグレン症候群も念頭に置く必要がある。
  1. 診察に当たっては、口腔の観察が重要である。耳下腺を圧迫しつつステノン管開口部を観察し、膿汁流出を確認する。起炎菌同定のために細菌培養検査を行う。
  1. 耳下腺造影により導管の嚢胞状拡張や点状陰影が確認されるが、低年齢児では検査が不可能な場合もある。MRシアログラフィーも有用とされるが、低年齢児では検査に際して鎮静が必要なことがある。非侵襲的な検査としては、耳下腺の超音波検査があり唾液腺管および多発する小嚢胞が低エコーとして観察される。
  1. 治療としては、ペニシリン系抗菌薬またはセフェム系抗菌薬の内服が使用される。一般的には短期間で腫脹は改善する。炎症が改善したら、うがいや歯磨きなどの口腔ケアを指導する。また副鼻腔炎の合併の有無もチェックし、必要に応じて治療を継続する。ほとんどの症例では10歳ごろまでに自然に治癒する。
問診・診察のポイント  
  1. 過去に耳下腺腫脹を来しことがあるかどうかが問診のポイントになる。保護者の「おたふくかぜを繰り返した」などの言葉を鵜呑みにしてはならない。初発時期や反復の頻度などを丁寧に問診する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松原篤 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:森山寛 : 未申告[2024年]
監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2024年]

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小児の反復性耳下腺炎

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