糖尿病(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
佐藤詩子 三楽病院 小児科

概要

疾患のポイント:
  1. 糖尿病は、インスリン分泌不全、インスリン作用不全、あるいはその両者により引き起こされる慢性高血糖症を特徴とする代謝疾患である。
  1. 小児・思春期においても、糖尿病の診断基準、糖尿病の成因分類は成人と同様である[1]。
  1. 1型糖尿病は、膵β細胞の破壊によるインスリンの絶対的不足が原因である。自己免疫機序の関与する自己免疫性(1A型)と、自己免疫機序の関与が明らかでない特発性(1B型)に分類される。
  1. 2型糖尿病は、インスリン抵抗性とインスリン分泌不全が原因となる。
  1. 近年の報告では、わが国の小児(14歳以下)1型糖尿病の発症率は、約1.5~2.5(対10万人/年)であり、発症率のピークは11~12歳である[2][3][4]。
  1. 近年の報告ではわが国の小児2型糖尿病の発症率は、2.57~3.57(対10万人/年)である。小学生では0.75~2.00であるが、中学生では5.05~6.65である[5][6]。
 
糖尿病の診断: >詳細情報 
  1. 糖尿病の臨床診断基準は下記のようである。
  1. 初回検査で、下記のうちいずれかを認めた場合は「糖尿病型」と判定する。別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断する。ただし、HbA1cのみの反復検査による診断は不可とする。また、血糖値とHbA1cが同一採血で糖尿病型を示すこと(①~③のいずれかと④)が確認されれば、初回検査だけでも糖尿病と診断してよい。
  1. ①空腹時血糖値≧126mg/dL
  1. ②75gOGTT 2時間値≧200mg/dL
  1. ③随時血糖値≧200mg/dL
  1. ④HbA1c(NGSP) ≧6.5%
  1. 血糖値が糖尿病型(①~③のいずれか)を示し、かつ次のいずれかの条件が満たされた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。
  1. 糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
  1. 確実な糖尿病網膜症の存在
  1. 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)のブドウ糖負荷量は1.75g/kg体重(最大量75g)とする。
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 自己免疫性甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病)…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

DKAの初期治療
  1. 輸液(水分と電解質補充)とインスリン少量持続静注が基本である。
  1. 輸液開始1~2時間後にインスリン少量持続静注を開始する。
  1. インスリンのbolus静注は行わない。
○ 1)~3)を適宜併用する。

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リファレンス

img  1:  日本糖尿病学会糖尿病診断基準に関する調査検討委員会. 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告(国際標準化対応版).糖尿病 2012; 55: 494.
img  2:  Incidence of Type 1 diabetes mellitus in children aged 0-14 in Japan, 1986-1990, including an analysis for seasonality of onset and month of birth: JDS study. The Data Committee for Childhood Diabetes of the Japan Diabetes Society (JDS).
 
PMID 10691161  Diabet Med. 2000 Jan;17(1):59-63.
img  3:  Descriptive epidemiology of IDDM in Hokkaido, Japan: the Childhood IDDM Hokkaido Registry.
 
PMID 9773722  Diabetes Care. 1998 Oct;21(10):1632-6.
img  4:  Lack of regional variation in IDDM risk in Japan. Japan IDDM Epidemiology Study Group.
 
PMID 8495621  Diabetes Care. 1993 May;16(5):796-800.
img  5:  Annual incidence and clinical characteristics of type 2 diabetes in children as detected by urine glucose screening in the Tokyo metropolitan area.
 
PMID 16043726  Diabetes Care. 2005 Aug;28(8):1876-81.
img  6:  Urine glucose screening program at schools in Japan to detect children with diabetes and its outcome-incidence and clinical characteristics of childhood type 2 diabetes in Japan.
 
PMID 17237712  Pediatr Res. 2007 Feb;61(2):141-5. doi: 10.1203/pdr.0b0・・・
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の緊急評価と治療
DKA治療時の継続輸液量の計算例
血糖コントロールの目標値
エネルギーの食事摂取基準:推定エネルギー必要量(kcal/日)
インスリンbasal-bolus療法の例
著者校正/監修レビュー済
2018/04/02


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