今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 能登 洋 聖路加国際病院 内分泌代謝科

監修: 野田光彦 国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科

著者校正/監修レビュー済:2024/09/18
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『糖尿病診療ガイドライン2024』『糖尿病標準診療マニュアル2024』を参照に、下記の点を加筆・修正した。
  1. 糖尿病性腎症の病期名を改訂した。
  1. 食事療法を改訂した。
  1. 薬剤選択順位を改訂した(経口セマグルチドの優先度が高まった)。
  1. 薬剤情報やエビデンスをアップデートした。

概要・推奨   

  1. 食事療法の実践で血糖コントロールが改善し、糖尿病合併症のリスクが低下する。また、管理栄養士による指導が有用である(推奨度1)
  1. 運動療法で血糖コントロールが改善する。日常生活で身体活動量を増やすだけでも、長期間継続すれば効果がある(推奨度1)
  1. メトホルミン(メトグルコなど)はアジア人の大血管症抑制に有効であり、2型糖尿病治療の第1選択薬として推奨される。ただしeGFR 30未満では投与禁忌(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 2型糖尿病とは、遺伝、加齢、肥満、運動不足などが原因で、インスリン分泌低下と感受性低下の2つが生じることによりインスリンの作用が不足し血糖値が高くなる疾患である。
  1. 病初期には自覚症状がほとんどないが、病気の進行につれ全身の大血管、小血管や神経が障害され、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こし、また、末梢動脈疾患や心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患のリスクとなる状態である。
  1. 無症状の場合は、血糖やHbA1cを再検査し、高血糖の持続が確認できれば糖尿病と診断する。
  1. 慢性高血糖を確認し、症状、臨床所見、家族歴、体重歴などを参考に総合判断して2型糖尿病の診断となる。なお、慢性高血糖とは、血液中のブドウ糖濃度である血糖値が正常値より高くなった状態が長期にわたり続くことである。通常、食後に高血糖になるとすぐに膵臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖は肝臓や筋肉の細胞に取り込まれ、数時間後には正常濃度に戻る。しかし糖尿病ではインスリン作用不足により、高血糖状態が慢性的に続く。
  1. 2型糖尿病には、インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体でインスリンの相対的不足を伴うものなどがある。
  1. 2型糖尿病でもインスリン依存状態のこともあるため、インスリン治療の有無は2型糖尿病の診断とは無関係である。
病歴・診察  
ポイント:
  1. 糖尿病は全身性疾患であり、病歴・症状・所見は多岐にわたる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
能登 洋 : 講演料(ノボノルディスクファーマ(株))[2024年]
監修:野田光彦 : 特に申告事項無し[2024年]

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