脱水症と輸液療法(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
三浦健一郎 東京女子医科大学 腎臓小児科

概要

ポイント:
  1. 脱水症とは、細胞内外を問わず体内から水分が急性に失われた状態である。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 脱水を呈する疾患で緊急の対応が必要なものとして、副腎不全、糖尿病性ケトアシドーシス、髄膜炎・敗血症を含む重症感染症、消化管出血、熱中症などがある。それぞれの診断、症状に従い治療する。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 意識障害のある場合、重度の電解質異常のある場合は三次医療施設への搬送を考慮する。
 
脱水の種類・重症度分類:<図表>
  1. 脱水の程度は一般に体重に対する水分喪失の割合で表す(<図表>)。3~5%の喪失を軽症脱水、6~9%を中等症脱水、10%以上を重症脱水とする分類が一般的であるが、病前の体重は不明であることが多く、問診や診察で脱水の程度を推察する必要がある。
  1. 問診では、飲水状況、嘔吐・下痢の状況、排尿状況、持続日数などが重要である。
  1. 5%脱水を予測するのに特に有用な理学所見は毛細血管再充満時間(capillary refill time)の延長、皮膚ツルゴール低下、呼吸パターンの異常である。 解説 
  1. 脱水には、等張性脱水(血清Na 130~150 mEq/L)、高張性脱水(血清Na >150 mEq/L)、低張性脱水(血清Na <130 mEq/L)の3種類が存在する。通常、等張性脱水である。
  1. 重症度分類:<図表>
 
脱水症治療・輸液療法:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

脱水症に対する経静脈輸液療法例
  1. 輸液開始時の血清Na濃度に従って対応する。低張液輸液による医原性低Na血症には常に留意する。血清Naの補正の際には尿中Na+Kを測定することが有用である。
○ 初期急速輸液として1)または2)のいずれかを用いる。それに引き続いて、3)を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

脱水症治療のアルゴリズム
WHOガイドラインによる重症脱水の乳幼児に対する経静脈輸液
脱水の重症度分類
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28