今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 榊原裕史 地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立小児総合医療センター 総合診療科

監修: 渡辺博 帝京大学老人保健センター

著者校正/監修レビュー済:2022/08/17
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 粘膜外幽門筋切開術とアトロピン療法の奏効率に関する文献を追加した。
  1. 代謝性アルカローシスに伴う呼吸障害に関する文献を追加した。

概要・推奨   

  1. 嘔吐で発症し、時間経過とともにその頻度は増加し、しばしば噴水様の非胆汁性嘔吐となる。
  1. 生後2週間から2カ月で発症し、男女比は4:1である。また第1子が3割を占める。
  1. 幽門筋の肥厚により生じる通過障害が原因である。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 嘔吐で発症し、時間経過とともにその頻度は増加し、しばしば噴水様の非胆汁性嘔吐となる[1]
  1. 幽門筋の肥厚により生じる通過障害が原因である[1]
  1. 生後2週間から2カ月で発症し、男女比は4:1である。また第1子が3割を占める[1]
  1. 発症率は1,000人あたり2~3.5人であるが、地域差、人種差がみられる。白色人種で多く、アジア人では少ない。また近年、発症率低下の報告が散見される[1][2][3]
  1. 家族内の集積があり、発症率は一卵性双胎で約200倍、二卵性双胎、兄弟で約20倍と報告されている[4]
  1. 生後2週間までのエリスロマイシン投与との関連が指摘されている。またアジスロマイシンでも症例報告がみられる[5][6][7]
  1. 近年のメタアナリシスによれば、妊娠中・授乳中のマクロライド使用と肥厚性幽門狭窄症の発症には有意な関連はない[8]
  1. 遺伝的素因と環境要因により発症すると考えられており、関連する遺伝子座がいくつか報告されているが、正確な機序はいまだ明らかではない[9]
問診・診察のポイント  
  1. 生後2週間から2カ月の嘔吐を認める患児では、常に念頭に置く必要がある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
榊原裕史 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:渡辺博 : 特に申告事項無し[2025年]

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幽門狭窄症(小児科)

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