血管性紫斑病(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
檜垣博嗣 みなみ野こどもクリニック

概要

疾患のポイント:
  1. 血管性紫斑病とは、免疫学的反応に起因する全身性の小血管炎である。
  1. 組織学的には小血管周囲の多核白血球を中心とした炎症性細胞浸潤と血管壁のIgA沈着が特徴的である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 紫斑をはじめとした皮膚症状、腹部症状、関節症状が3大症状で、これらの症状を認めるときに診断される。
  1. 明らかな病因は同定されていないが、約50%の症例で1~2週間前にA群β溶連菌をはじめとした上気道の先行感染を認める。
  1. 血管性紫斑病の紫斑:<図表>
 
原因疾患・合併疾患の評価: >詳細情報 
  1. 溶連菌感染症(本症の50~80%)、紫斑病性腎炎(本症の20~55%)の合併を評価する目的で、咽頭培養、迅速抗原検査あるいは抗A群レンサ球菌抗体であるASO、ASK、検尿の検査を行う。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 一般的には予後良好で、通常は2~3週間で軽快する。
  1. だが、紫斑病性腎炎の合併が予後を左右するので、本症発症後6カ月間は腎症発症の可能性が高い期間なので、外来にて検尿を含めた経過観察が必要である。
 
治療:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 基本的には特別な薬物治療の必要性はなく、安静を保ち、症状に合わせた対症療法を行う。
  1. 腹部症状がみられる場合には、絶食、輸液療法を行い、鎮けい薬としてブチルスコポラミン(ブスコパン)を0.2~0.5mg/kg/回を経口または静注で投与する。これらの薬剤で改善が乏しい場合には、ステロイド薬をプレドニゾロン1~2mg/kg/日、分3、経口または静注で投与する 。 …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

病因・合併症評価のための検査例
  1. 血管性紫斑病は、臨床症状から診断するが、疾患の鑑別や病因の把握、また病勢の判定、合併症検索のために検査を行う。
  1. 腹部症状を呈する場合には入院時(なるべく早期)に腹部超音波検査を行い、適切な対処、治療を検討する。
○ 紫斑をみた場合、スクリーニングとして1)~4)の検査を、病態によっては5)の検査を適宜行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

血管性紫斑病の管理指針(日本皮膚科学会によるHSPの診療アルゴリズムを改訂)
腹部症状を伴う血管性紫斑病の超音波画像
血管性紫斑病の紫斑
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01