食物アレルギー(小児科)

著者: 成田雅美 東京都立小児総合医療センター アレルギー科

監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院

著者校正/監修レビュー済:2019/10/26
参考ガイドライン:
食物アレルギー診療ガイドライン2016≪2018年改訂版≫

概要・推奨  

  1. 食物アレルギーとは食物による抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象で、乳幼児に発症することが多く加齢に伴い自然に治癒する傾向がある。
  1. 症状は、皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、神経など多臓器にわたり出現し、アナフィラキシーをきたす場合もある。
  1. 主要原因食物は乳幼児期では鶏卵、牛乳、小麦が多く、学童期以降は、ピーナッツ、甲殻類、果物類などが加わる。
  1. 診断は特定の食物と症状誘発の再現性、免疫学的機序の確認に基づいて行う。
  1. 食物アレルギーの診断に特異的IgE抗体価の測定は有用である。ただし特異的IgE抗体陽性のみを根拠に食物除去を行う必要はない(推奨度1)。
  1. 食物アレルギーの検査では、食物経口負荷試験が最も信頼性が高く、診断、重症度判定、寛解の確認などの目的で実施する。
  1. 治療では必要最小限の食物除去が原則で、安全性や栄養面に配慮した食事指導を行う。
  1. 誤食などによる症状誘発時には適切な対症療法が必要となる。食物アレルギーの発症予防のために、妊娠中・授乳中の母親が食物除去を行うことは推奨されない(推奨度3)。
  1. 母乳不足により人工乳を追加する場合に加水分解乳などの低アレルゲン化ミルクの使用によるアレルギー発症予防には十分なエビデンスはない(推奨度3)。
  1. 食物アレルギー発症予防のために離乳食の開始時期を遅らせることは推奨されない(推奨度3)。
  1. ハイリスク乳児へのピーナッツや鶏卵摂取早期開始はこれらの食物アレルギーの発症予防に有効である(推奨度1)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 食物アレルギー診療ガイドライン2016≪2018年改訂版≫に基づき確認を行った。 


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