麻疹 :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
上山伸也 倉敷中央病院 感染症科/感染制御室

概要

疾患のポイント:
  1. 麻疹とは、麻疹ウイルスによる感染症で、咳嗽、鼻汁、結膜炎や、顔面、耳の後ろから始まり、やがて体幹、四肢へと広がる発疹を認める疾患である。いわゆる、「はしか」と呼ばれる疾患である。
  1. 麻疹は、感染症法の5類感染症に分類され、診断した医師はただちに最寄の保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法では第二種の感染症に指定されており、「解熱した後三日を経過するまで」を出席停止の期間の基準としている。
  1. 空気感染が主たる感染経路である。潜伏期間は通常10日間(8~12日)であり、この潜伏期間に合致するタイミングで曝露歴を認めることがある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 麻疹は下記臨床所見で診断する。下記所見のうち、診断価値が最も高いのはKoplik斑である。
  1. Koplik斑<図表>の存在
  1. カタル期に麻疹で典型的な症状とされる咳嗽、鼻汁、結膜炎の3つがみられること(カタル症状は必発である)
  1. 顔面、耳の後ろから始まり、やがて体幹、四肢へと広がる発疹が認められること<図表>
  1. 検査による麻疹の診断方法は下記の通りである。
  1. 麻疹IgM抗体の上昇を証明する。IgMは皮疹が出現して1~3日後位から上昇し始め、2~4週間後にピークとなる。通常30~60日間くらい上昇が続く。
  1. ペア血清にて、麻疹中和抗体の4倍以上の上昇を確認する(NT法もしくはPA法)。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 麻疹自体の死亡率は約0.1%である。肺炎を合併すると、死亡率は約60%に、脳炎を合併すると死亡率は約15%で、約25%の患者は神経学的後遺症(けいれん、難聴、発達遅滞、麻痺など)が残存する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 基本的には対症療法である。生後6カ月から2歳未満の乳幼児で、麻疹およびその合併症(クループ、肺炎、下痢)で入院する場合などではビタミンAの内服を考慮する。 エビデンス 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 診断は通常、診療所見にてなされるが、必用に応じて検査を行う。
  1. 検査による麻疹の診断方法は下記の通りである。
  1. 麻疹IgM抗体の上昇を証明する。IgMは皮疹が出現して1~3日後位から上昇し始め、2~4週間後にピークとなる。通常30~60日間位上昇が続く。
  1. ペア血清にて、麻疹中和抗体の4倍位以上の上昇を確認する(NT法もしくはPA法)。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

麻疹でみられる紅斑
典型的なKoplik斑
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28