尿路感染症(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
張田豊 東京大学 生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 尿路感染症とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道口にグラム陰性桿菌(3大起因菌:大腸菌、クレブシエラ、プロテウス)などの病原体が感染し、発熱を来す疾患のことである。尿路感染症(UTI)は男児の約1%、女児の3~5%が罹患する頻度の高い疾患である。
  1. 発熱を主訴に受診する小児患者(特に乳幼児)を診察する際には常に尿路感染症の可能性を想起する。
  1. 基礎疾患のない尿路感染症を単純性UTI、あるものを複雑性UTIとよぶ。
  1. 全UTIの30~40%に膀胱尿管逆流症(vesicoureteral reflux、VUR)を合併する。感染経路の大半は上行性であるが、新生児では一部血行性もあり得る。
  1. 起因菌は主にグラム陰性桿菌(3大起因菌:大腸菌、クレブシエラ、プロテウス)で、大腸菌がほとんどである。
 
診断: >詳細情報 
  1. 白血球尿(>5WBC/hpf)に加えて尿培養で単一菌5×104CFU/mL以上が同定されることで診断される。
  1. 起因菌は主にグラム陰性桿菌(3大起因菌:大腸菌、クレブシエラ、プロテウス)で大腸菌がほとんどである。
  1. 基礎疾患のない尿路感染症(UTI)を単純性UTI、あるものを複雑性UTIとよぶ。全UTIの30~40%に膀胱尿管逆流症(VUR)を合併する。感染経路の大半は上行性である。
  1. 各種尿検査による尿路感染症診断の感度・特異度:<図表>
 
背景疾患の評価:
  1. 腎尿路奇形(低形成腎/異形成腎、水腎症、巨大尿管症、尿管瘤、膀胱憩室など)の有無について超音波検査を行う。米国小児科学会(AAP)ガイドラインでは初回尿路感染の全例で超音波検査を行うことを推奨している。 エビデンス 
  1. 超音波検査において水腎症や腎瘢痕を認める症例、臨床経過が非典型的で難治性の症例を中心に排泄性膀胱尿道造影(voiding cystourethrography、VCUG)を行う。 エビデンス 
  1. NICEガイドラインでは、特に年少例でDMSAシンチが推奨されている。
  1. 尿路感染症・年齢別画像診断の適応(NICEガイドラインより):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断方法例
  1. 正しい診断のためには発熱児をみたときに本症を念頭に置いて抗菌薬投与前に尿培養を含めた尿検査を施行することが必要である。
  1. 可能であればカテーテル尿を採取し、コンタミネーションによる誤診を防ぐ。
○ 尿路感染症を疑った場合、下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

尿路感染症・年齢別画像診断の適応(NICEガイドラインより)
各種尿検査による尿路感染症診断の感度・特異度
排尿時膀胱造影による膀胱尿管逆流の評価
腎膿瘍、腎周囲膿瘍
著者校正/監修レビュー済
2017/01/20


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