貧血(新生児を含む)(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
滝田順子 東京大学 小児科

概要

症状のポイント:
  1. 貧血とは、血液(末梢血)中のヘモグロビン濃度、赤血球数、赤血球容積率(Ht)が減少し基準値未満になった状態である。
  1. 貧血のなかで最も頻度が高いのは鉄欠乏性貧血である。
  1. 小児は年齢によってヘモグロビンの正常値が異なるので、診断時の年齢を考慮する必要がある。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 急性の大出血、Hb5g/dl以下の高度な貧血の場合、母体間輸血症候群、双胎間輸血症候群、血液型不適合による溶血性貧血、遺伝性球状赤血球症の溶血発作、無形成発作なども緊急性を要する。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 鉄欠乏性貧血の治療:
  1. 鉄欠乏性貧血に対して適切な鉄剤を投与した場合、投与開始から4~10日後に網状赤血球の増加がみられ、10日目頃からHbの上昇が認められる。1カ月の鉄剤投与で1g/dlのHbの上昇を認めれば、反応があったとされ、2g/dl以上上昇すれば、十分反応があったと判断される。
  1. 自己免疫性溶血性貧血、遺伝性球状赤血球症、再生不良性貧血:
  1. 自己免疫性溶血性貧血、遺伝性球状赤血球症、再生不良性貧血の治療としてはステロイド、免疫抑制薬、脾摘等の治療を行う。
  1. 輸血:
  1. 小児とりわけ新生児の貧血に対しての輸血療法は、小児特有の生理機能を考慮した適応を考える必要がある。(詳細: >詳細情報 )
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. Hb5g/dl以下の高度な貧血を呈する場合、再生不良性貧血、骨髄異形性症候群、悪性腫瘍が疑われる場合、慢性炎症、腎不全など基礎疾患を有する場合などは専門医に紹介する。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

評価例
  1. また、貧血は赤血球の大きさにより小球性、正球性、大球性に分類されるが、どのタイプの貧血かを見極めることが鑑別診断に有用であることから、初診時の末梢血塗抹標本の観察が重要である。末梢血塗抹標本では、赤血球の大小不同、多染性、球状赤血球、破砕赤血球、赤血球封入体の有無にも注意する。
  1. 血液一般検査(血算)、末梢血塗抹標本、Fe、TIBC、フェリチン、LDH、ビリルビン、クームス試験、ハプトグロビン、CRP、骨髄検査を必要に応じて行う。
  1. 貧血診断のフローチャート:アルゴリズム
○ 貧血を認める患者では通常、1)~5)7)をまず行う。その結果、貧血を赤血球の大きさにより小球性、正球性、大球性に分類し追加の検査を検討する。例えば、小球性貧血で鉄欠乏性貧血を疑う場合は6)を、正球性貧血で溶血性貧血を疑う場合は8)を、大球性貧血で葉酸やビタミンB12欠乏症を疑う場合は11)を考慮する。溶血性貧血を認める場合は鑑別に基づき9)10)12)13)等の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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貧血診断のフローチャート
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01