今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤原亨 岩手医科大学医学部 臨床検査医学講座

監修: 宮﨑泰司 長崎大学病院血液内科

著者校正/監修レビュー済:2024/08/21
参考ガイドライン:
  1. 日本鉄バイオサイエンス学会:鉄剤の適正使用による貧血治療指針 第3版
  1. 「血液疾患の全て」日本医師会雑誌 第151巻特別号
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 静注用鉄剤(フェインジェクト、モノヴァー)の総投与量の算出について、加筆を行った。
  1. 小球性貧血の鑑別としてサラセミアの項を追加した。

概要・推奨   

  1. 経口鉄剤の投与量は鉄として1日200 mgまでで十分である。1日200 mg未満を投与することが推奨される(推奨度1)
  1. 静注による鉄剤投与は副作用のリスクが高いため、可能な限り経口による鉄剤投与が推奨される(推奨度1)
  1. ビタミンCを一緒に服用すると鉄の吸収が促進する。したがって、ビタミンCの併用も推奨される(推奨度2)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が
  1. 経口鉄剤は制酸剤やH2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬などの制酸剤と同時に内服することは避けるべきである(推奨度3)
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧に
  1. 鉄の内服に奏効しない鉄欠乏性貧血にはピロリ菌(Helicobacter pylori)が関与していることがある。ピロリ菌の感染が確認された場合には除菌を考慮してもよい(推奨度3)
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲 覧にはご契約が必要となります。閲 覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります 。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約

病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 鉄欠乏性貧血は最も頻度の高い貧血であり、さまざまな要因から鉄欠乏が進行することにより生ずる小球性低色素性貧血を特徴とする。鉄欠乏性貧血の治療にあたっては、鉄欠乏の原因を明らかにすることが肝要である。
  1. 診断のための検査としては、ヘモグロビン、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素量(MCH)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)、血清鉄、不飽和鉄結合能(UIBC)、総鉄結合能(TIBC)、血清フェリチン値を測定し、貧血と貯蔵鉄の欠乏を評価する[1]
  1. 鉄欠乏性貧血の診断基準:表<図表>
  1. 鉄はヘモグロビンの構成成分であるため、不足することによりヘモグロビンの産生ができなくなり貧血を来す。鉄が不足する原因としては、摂取不足、吸収障害、出血での鉄の喪失などがあるため、原因検索をする必要がある。
  1. 疾患の頻度は高く、全貧血の約70%が鉄欠乏性貧血といわれている。また、成人男性では2%以下とされるが、日本人女性では8~10%の罹患率があるといわれている。
  1. 治療対象となる鉄欠乏性貧血の目安は、ヘモグロビン10.0 g/dL未満、血清フェリチン12 ng/mL未満である。鉄剤投与後、数日で網赤血球の増加がみられ、ヘモグロビンは6~8週で正常化する。
  1. 鉄剤投与の中止時期は、貧血が改善し、かつ、血清フェリチンが正常化したときである。
 
  1. 血清鉄が低値であっても、血清フェリチンが高値の場合には鉄剤の投与を行うべきではない(推奨度3)
  1. 血清鉄は鉄欠乏性貧血では低値となるが、日内変動や食事による影響、また慢性炎症による影響でも変動があり、鉄欠乏の診断には特異性が低い。それに対しフェリチンは高分子量の鉄を含む蛋白で、ヘモジデリンとともに体内における鉄貯蔵蛋白として知られている。そのため、血清フェリチン値は貯蔵鉄量の指標として有用であり[2]、鉄過剰症の指標にも用いられている。感染や炎症、慢性疾患の場合には、貧血があり血清鉄が低値であっても、血清フェリチンが高値で鉄過剰状態となっている場合がある。その際に鉄剤を投与すると鉄過剰状態を進行させることになり、鉄過剰症による臓器障害を引き起こすこととなる。そのため、血清鉄が低値であっても、血清フェリチンが高値の場合には鉄剤の投与を行うべきではない。
 
  1. 鉄欠乏性貧血はヘモグロビン10.0 g/dL未満、血清フェリチン12 ng/mL未満が治療開始の目安である。ヘモグロビン10~12 g/dLに対しては予防対策をとりつつ原因の検索とその治療を行うのが望ましい(推奨度2)
  1. 治療開始時期に関する明らかなエビデンスはないが、ヘモグロビン10.0 g/dL未満、血清フェリチン12 ng/mL未満が治療開始の目安とされている。ヘモグロビン10~12 g/dLに対しては予防対策をとりつつ原因の検索とその治療を行うのが望ましい[3]
 
  1. 鉄剤投与は、貧血が改善し、かつ、血清フェリチンが正常化したときまで治療を継続することが推奨される(推奨度2)
  1. 鉄剤投与開始後、数日で網赤血球の増加がみられ、2週間で最高に達する。網赤血球数は治療の有効性を判断するのに有用な指標である。ヘモグロビンは6~8週で正常化する。鉄剤投与中止の時期は、貧血が改善し、かつ、血清フェリチンが正常化したときである[3]
問診・診察のポイント  
  1. 貧血症状(易疲労感、動悸、息切れ、眩暈、異嗜味症、嚥下困難)を確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤原亨 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:宮﨑泰司 : 講演料(ノバルティスファーマ(株),ブリストル・マイヤーズスクイブ(株),中外製薬(株))[2025年]

ページ上部に戻る

鉄欠乏性貧血

戻る