急性腎炎症候群(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
張田豊 東京大学 生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 急性腎炎症候群とは、急性の経過で血尿、蛋白尿、腎機能障害、浮腫、高血圧を呈する症候群である。
  1. ほとんどが急性糸球体腎炎によるものであり、その大部分(8~9割)はA群β溶連菌の感染が原因である。溶連菌のほかの原因として黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、エルシニアなどの細菌、ヒトパルボウイルスB19、EBウイルス、水痘ウイルス、B型肝炎ウイルスなどのウイルス感染やマイコプラズマ感染が挙げられる。
  1. 上気道感染後に平均10日間、皮膚感染後には約2週間の潜伏期間をおいて発症する。アルゴリズム 解説 
 
診断: >詳細情報 
  1. 血尿、浮腫、高血圧が本症の3主徴である。
  1. 検査所見としては尿検査で顕微鏡的血尿は必発である。尿中白血球数(WBC)の増加、赤血球円柱、白血球円柱などの尿沈渣異常も認める。
  1. 溶連菌感染が原因である場合には抗体価(抗ストレプトリジンO抗体[ASO]、抗ストレプトキナーゼ抗体[ASK])が約80%の例で上昇する。皮膚感染症では抗ヒアルロニダーゼ(AHase)および抗デオキシリボヌクレアーゼB(ADNaseB)も診断価値が高い。 解説 
  1. 低補体血症(CH50、C3低下)が9割以上の症例で認められる。C4は正常もしくは軽度の低下にとどまることが多い。
  1. 急性腎炎の鑑別:アルゴリズム
  1. 溶連菌感染後糸球体腎炎の診断基準:アルゴリズム
 
重症度・予後評価: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

溶連菌感染の診断と初期治療例
  1. 1~2週間前に咽頭炎の先行(既往)がある際には溶連菌感染を考慮する。
  1. 溶連菌感染が確認されれば10~14日の抗菌薬投与(ABPCあるいはAMPC、または第一世代セフェム系薬剤)を行う。
○ 以下1)2)の検査を行う。治療は3)~6)のいずれかを用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

急性腎炎の鑑別
溶連菌感染後糸球体腎炎の診断基準
典型的な溶連菌感染後急性糸球体腎炎の臨床経過
溶連菌感染後糸球体腎炎腎組織像
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01