今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 小椋雅夫 国立成育医療研究センター 腎臓・リウマチ・膠原病科

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2023/02/22
参考ガイドライン:
  1. 日本小児腎臓病学会:小児IgA腎症ガイドライン2020
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 小児IgA腎症ガイドライン2020刊行に伴い、主に重症度分類と治療について改訂を行った。
  1. また、定期レビューを行い、全体的により適切な文言へ見直しを行った。

概要・推奨   

  1. 小児IgA腎症において、レニン・アンギオテンシン変換酵素阻害薬は有効である[1](推奨度1)
  1. 小児IgA腎症において、組織学的あるいは臨床的軽症例では、ステロイド薬や免疫抑制薬の使用、また口蓋扁桃摘出術は推奨されない(推奨度1)
  1. 小児IgA腎症において、組織学的あるいは臨床的重症例では、ステロイド薬と免疫抑制薬(ミゾリビンあるいはアザチオプリン)を用いた多剤併用療法が推奨される[2][3][4](推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. IgA腎症は、わが国では成人・小児ともに最も頻度の高い慢性糸球体腎炎であり、小児領域では、学校検尿で発見されることが多い。したがって小児では、諸外国に比べて比較的早期に発見される例が多いことが特徴である。
  1. 病理組織学的には、糸球体のメサンギウム細胞の増殖・基質の増生を来し、蛍光抗体染色でメサンギウム領域や血管係蹄にIgAが顆粒状に沈着するのが特徴である。びまん性メサンギウム増殖や半月体形成が多い場合は、予後が悪い。
  1. 多くの症例で、血尿・蛋白尿を呈する。感冒罹患時に、一過性の肉眼的血尿を呈することがある。
  1. 尿検査・血液検査で確定診断することはできず、また、以下で示すように治療方針の決定にも関わるため、腎生検が必須となる。
  1. 「小児IgA腎症治療ガイドライン2020」(日本小児腎臓病学会)では、軽症(<図表>)と重症(<図表>)に分類し、治療方針を決定している。
  1. 軽症と重症は、尿蛋白定量、腎機能、病理組織像(メサンギウム細胞増殖、癒着、効果病変、半月体形成などの割合)で決定される。特に半月体形成が多い例では予後が悪いことが示されており、ステロイドパルス療法など追加の免疫抑制療法を行う場合もある。
  1. 小児IgA腎症の長期腎生存率は、10年で85~95%、20年で70~80%である。治療により尿蛋白が消失すれば腎予後は良好とされる。蛋白尿が持続する場合は末期腎不全へ移行する可能性がある。
問診・診察のポイント  
  1. 多くが、学校検尿で発見される(およそ70%)。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小椋雅夫 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2025年]

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IgA腎症(小児科)

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