過換気症候群 :トップ    
監修: 巽浩一郎 千葉大学 呼吸器内科学
小川浩正 東北大学 環境安全推進センター/産業医学分野

概要

疾患のポイント:
  1. 過換気症候群とは、器質的障害が認められないにもかかわらず、換気が過剰に起こることにより生じるさまざまな症状を呈する症候群である。
  1. 症状としては、過換気状態、口周囲や手足のしびれ、助産婦手位といわれる手の硬直などアルカローシス・血清Ca2+濃度減少の症状を認めることがある。
  1. 過換気症候群はしばしば、不安感やストレスと関係しており、心理的要因が原因と考えられている。呼吸困難、動悸などを訴える。
  1. 過換気症候群発症のトリガーとして、不安感、嘔気、嘔吐、発熱などが挙げられる。
  1. 一般人口の6~11%程度に発症する。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 急性期の診断は、過換気状態を診断し、過換気を呈する器質的疾患を否定することで診断される。
  1. 発作間欠時は、過換気テストや質問票を用いることで、診断される場合がある。
  1. 過換気症候群の診断:アルゴリズム
  1. 急性期の診断:
  1. 以下から、過換気症候群と診断される。同じ病態を繰り返し、特に器質的疾患が診断されていない、という病歴も参考になる。
  1. 1:動脈血ガス検査上、PaCO2<35Torr、pH>7.45、A-aDO2正常で、過換気状態と診断する。
  1. 2:低酸素血症を呈することなく、呼吸困難・痛み・発熱などから過換気を呈する可能性がある器質的疾患(気管支喘息発作初期、肺血栓塞栓症、心筋梗塞、感染症、外傷など)を除外する。
  1. 3:呼吸困難、しびれ、手の硬直などの症状が認められる。
  1. なお、過呼吸は、運動など代謝的需要に応じて換気量が増加する場合であり、PaO2は正常から増加、PaCO2は正常から低下している。
  1. 発作間欠時の診断:
  1. ポイント:
  1. 発作間欠時の診断には、下記に示す過換気テストや質問票などの方法がある。状況によって使い分ける。
  1. the hyperventilation provocation test
  1. 数分間自発的な過換気(呼吸数を60回/分まで増加もしくは、単純に深い呼吸を3分間)をさせ、発作時の症候が誘発されるかをみる。この場合、過換気により、てんかん、喘息発作、狭心症発作などが誘発…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

過換気状態を診断するための検査例
  1. 動脈血ガス検査で過換気を診断することから始まる。
○ 血液ガス分析にて、PaCO2<35Torr、pH>7.45、A-aDO2正常である場合、過換気という。A-aDO2が開大している場合、過換気とは言えない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

過換気症候群の診断アルゴリズム
Nijmegen Questionnaire
過換気症候群(HVS)の診断基準
著者校正/監修レビュー済
2017/09/29