縦隔洞炎 :トップ    
監修: 久保惠嗣 地方独立行政法人 長野県立病院機構
牛木淳人1) 久保惠嗣2) 1)信州大学 内科学第一講座 2)地方独立行政法人 長野県立病院機構

概要

疾患のポイント:
  1. 縦隔洞炎とは、縦隔に発生する炎症の総称であり、比較的まれな疾患である。
  1. 経過により急性縦隔洞炎と慢性縦隔洞炎に分けられる。急性縦隔洞炎は胸骨正中切開術後や、食道穿孔、頭頚部領域の感染の波及により発症する。一方、慢性縦隔洞炎は、ヒストプラズマなどの真菌や、結核菌などによる硬化性、線維性、肉芽腫性の炎症である。
  1. 急性縦隔洞炎と慢性縦隔洞炎の比較表 :<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 縦隔の炎症や膿瘍を反映して胸部X線写真では縦隔陰影の拡大を、胸部CTでは縦隔脂肪組織のCT値上昇を認める。縦隔気腫を認めることもある。<図表>
  1. 慢性縦隔洞炎では胸部X線写真で軽微な縦隔陰影の拡大を認め、胸部CTでは縦隔に炎症性腫瘤やしばしば上縦隔のリンパ節の石灰化を認める。
  1. 急性縦隔洞炎の胸部CT:<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 急性縦隔洞炎の予後は、近年でも死亡率が10~30%と高く予後は悪い。
  1. 慢性縦隔洞炎に対する治療法は確立していないが、予後は良好である。
 
治療: >詳細情報 
  1. 早急な(24時間以内)外科治療と広域抗菌薬の投与が必要である。
  1. 初期治療に用いる抗菌薬としてはカルバペネム系、βラクタマーゼ阻害薬配合広域ペニシリン系などがある。胸骨正中切開手術後ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の関与も考慮し、塩酸バンコマイシンの併用も積極的に考慮する。 エビデンス   …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性縦隔洞炎の診断例
  1. 急性縦隔洞炎は急速進行性の疾患であり、ときに致死的となるため早期診断が重要である。 エビデンス 
  1. 胸骨正中切開による手術、上部消化管内視鏡、頭頸部領域の感染などの背景を有する患者が、発熱や胸痛などを訴えたときには積極的に本症を考慮する必要がある。
  1. 急性縦隔洞炎の診断には胸部画像検査、特に胸部CTが有用である。 エビデンス 
○ 急性縦隔洞炎を疑う患者では緊急で1)2)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

急性縦隔洞炎の診断、治療フローチャート
急性縦隔洞炎と慢性縦隔洞炎
急性縦隔洞炎の胸部CT
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


詳細ナビ