月経不順 :トップ    
監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学
佐藤幸保 大津赤十字病院 産婦人科

概要

症状のポイント:
  1. 約1カ月の間隔で起こり、限られた日数で自然にとまる子宮内膜からの周期性出血を月経と定義する。
  1. 月経周期の正常範囲は25~38日とされており、この周期の異常を月経不順という。
  1. 月経周期が24日以下のものを頻発月経、39日以上3カ月未満のものを稀発月経、3カ月以上のものを続発無月経と呼ぶ。また、最長月経周期と最短月経周期との差が7日以上のものを不整周期月経と呼ぶ。
  1. 妊娠に伴う性器出血や婦人科器質的疾患(子宮頸がん、子宮体がん、子宮筋腫など)による不正性器出血を月経不順として訴える女性も多い。月経不順女性では、まず妊娠および婦人科器質的疾患の存在を除外することが重要である。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 大量性器出血が持続している場合や重症貧血の場合は入院させ、輸液、輸血による全身管理、ホルモン剤や止血剤の投与による出血のコントロールを図る。止血困難な場合は子宮内膜掻爬術が必要となる。
  1. 栄養状態が極端に不良な神経性食欲不振症患者は入院させ、経管栄養法や経静脈栄養法(末梢点滴、中心静脈高カロリー輸液)による栄養管理を行う。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 機能性の月経不順のほとんどは経過観察のみで十分であるが、以下の場合には治療が必要となる。
  1. 大量性器出血により血圧低下や乏尿を認め全身状態が悪化している場合
  1. 頻発月経や月経過多により社会生活に支障を来している場合
  1. 希発月経や月経過少により子宮内膜の肥厚(≧15 mm)を生じている場合
  1. 挙児希望があるにもかかわらず1年以上妊娠に至っていない場合
  1. 45歳未満での卵巣機能不全(少なくとも2回の検査でいずれも血中E2値<30pg/mlかつ血中FSH>30mIU/ml)が疑われる場合
  1. 肥満(BMI≧25)あるいはやせ(BMI<18.5)を認める場合(神経性食欲不振症を含む)
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 挙児希望がある場合、神経性食欲不振症が疑われた場合、下垂体腺腫をはじめとする頭蓋内器質的疾患を認めた場合は、各専門医に紹介する。
 
診断へのア…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

月経不順女性に対する初診時検査例アルゴリズム
  1. 月経不順の原因を特定するため初診時に必要な検査として以下のものがある。
  1. 尿中hCG検査
  1. 経腟超音波検査
  1. 子宮部細胞診
  1. 子宮内膜細胞診
  1. 血中ホルモン検査(E2,FSH,LH,テストステロン, プロラクチン, プロゲステロン)
○ 1)~3)の評価を行う。必要に応じて4)〜6)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

月経不順を訴えた患者への対応
排卵障害の鑑別診断
機能性月経不順の分類
多嚢胞性卵巣症候群の診断基準(日本産科婦人科学会2007年)
神経性食欲不振症の診断基準(厚生労働省1989年)
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10

改訂のポイント:


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