性交痛 :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
原田 竜也 東京医科歯科大学 周産・女性診療科

概要

症状のポイント:
  1. 原因によらず反復的に起こる性交時の疼痛が性交疼痛症dyspareuniaであり、臨床的に性交痛として問題となる。性交痛は、それ自体苦痛であるばかりか性欲障害や性的興奮の障害など他の女性性機能障害の誘因となり、女性の8~22%が生涯のいずれかの時点で経験するとされている。 エビデンス 
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 性交痛のみを主訴とする疾患では、緊急性を要する疾患はほとんどない。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 器質的疾患のある性交痛は、原疾患に対する治療が基本となるが、心理的要因の場合には、抗不安薬・カウンセリングが有効なことがある。
  1. 性交痛の代表的な疾患である子宮内膜症は、GnRHアゴニストと低用量経口避妊薬や手術療法によって症状が改善する。 エビデンス   エビデンス 
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 基本的には専門医で評価する。心理的要因が影響している場合には、長期間に及ぶカウンセリングなどが必要となることから、臨床心理士や専門のセックス・カウンセラー(日本性科学会)に紹介する。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 性交痛の原因は、子宮内膜症や慢性骨盤腹膜炎、萎縮性腟炎などといった器質的疾患、さらには分娩に伴う裂傷や性器脱手術後といった術後瘢痕などが多いが、心因性によるものも少なくない。
  1. 治療は原疾患に対するものになるが、心因性によるものはカウンセリングをはじめさまざまな精神療法が求められることになるため、専門家による評価、治療が必要である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

器質性疾患の有無を評価するための検査例
  1. 疼痛の部位の特定のための双合診に加え、経腟超音波にて子宮内膜症や子宮筋腫など器質性疾患の有無を診断する必要がある。さらに骨盤内炎症性疾患による疼痛を考え、性感染症の検査も必要となる。
○ 性交痛を認める患者では1)および5)による評価を行う。問診で性行為感染症が疑われる場合には2)~4)による評価を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

性交疼痛障害のアルゴリズム
性交痛診断の際の質問表
慢性性交痛と関連する状態
Fitz-Hugh-Curtis症候群
性交痛とvaginismusのサイクル
子宮内膜症
萎縮性腟炎の腟分泌物顕微鏡像
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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