今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 倉林工 新潟市民病院 産科・婦人科

監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学

著者校正/監修レビュー済:2024/09/04
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023
  1. 日本産科婦人科学会日本女性医学学会:ホルモン補充療法ガイドライン2017年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023に基づき一部改訂し、子宮内膜症の新しい薬物療法などを記載した。
  1. 子宮内膜症の疼痛に対する治療として、まず鎮痛剤(NSAIDs)による対症療法を行うが、その効果が不十分な場合や子宮内膜症自体への治療が必要な場合には、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)、プロゲスチンを第1選択、GnRHアナログ、ダナゾールを第2選択として投与する。

概要・推奨   

  1. 性交痛は、女性の8~22%が生涯のいずれかの時点で経験する症状である。
  1. 性交痛は、婦人科領域で最も多くみられる疼痛の1つであり、その診断や治療には解剖学的、内分泌的、病理的、情緒的などのさまざまな因子の理解が必要である。
  1. 性交痛のリスクファクターとしては、閉経、骨盤炎症性疾患の既往、性的虐待、不安、うつが挙げられる。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 周閉経期から閉経後の女性では、エストロゲンの低下に伴い腟・外陰の乾燥、痒み、灼熱感、性交痛などの不快症状の訴えが多くなり、ときに性交痛などの性機能障害や排尿の障害を伴う。局所の所見としては外陰腟萎縮(vulvovaginal atrophy: VVA)、全身的な症状症候群としては閉経関連泌尿生殖器症候群(genitourinary syndrome of menopause: GSM)という概念が提唱されている[1][2]
  1. 原因によらず反復的に起こる性交時の疼痛が性交疼痛症dyspareuniaであり、臨床的に性交痛として問題となる。
  1. 性交痛は、それ自体苦痛であるばかりか性欲障害や性的興奮の障害など他の女性性機能障害female sexual dysfunction(FSD)の誘因となる。
  1. 性交痛は婦人科領域でよくみられる主訴の1つであるが、慢性骨盤痛とともに評価・治療が困難な疾患の1つである。
  1. 性交痛は、他の女性性機能障害に比べて器質的疾患が原因のものが多いが心因性や混合性も少なくない。
  1. 性交痛は、女性の8~22%が生涯のいずれかの時点で経験する症状である。
  1. 我が国の更年期女性の調査では、性交痛は40歳代、50歳代女性の約半数に認められ、更年期症状に悩む女性にとって、性交痛が配偶者との性交の継続に影響を与えている。
  1. 更年期には、腟の機能低下による血流低下により分泌物の減少、コラーゲンの硝子化、エラスチンの崩壊、腟結合組織の増殖、腟内環境の中性化といった変化が生じ、腟の乾燥や感染が起こりやすくなり、その結果、不快感・かゆみ・性交痛などの腟症状が生じる。
  1. 女性の性的反応(性機能)の生理学的変化は血管系と筋肉系の変化ならびにそれらをつなぐ神経系の反応と説明され、興奮期、高原期、オルガズム期、消退期という4つのプロセスをたどる。すなわち、性的興奮は骨盤内の血流増加(充血)と骨盤底や四肢伸展筋などの緊張で示され、その結果、女性では外陰部や腟が発赤・腫脹し、腟潤滑液が流出する。また、骨盤底筋群、特に腟の周囲の筋が緊張、伸展すると腟入口部は拡張する。ピークに達した筋緊張を収束させるオルガズムは交感神経の反射である。その後、骨盤底筋群はリズミカルな収縮を反復しながら弛緩し、骨盤内の充血が消退する。この一連の反応に動脈硬化や骨盤内血栓症といった加齢変化・疾患が影響すると、腟潤滑液の分泌不全を起こしうる[3]
 
  1. 性交痛は、婦人科領域で最も多くみられる疼痛の1つであり、その診断や治療には解剖学的、内分泌的、病理的、情緒的などのさまざまな因子の理解が必要である(S/CS)。
  1. その治療結果は、性交にともなう快感や満足度が得られるかによって評価されるべきものである。
  1. まとめ:本論文は性交痛の評価、治療に関するreviewであり、その原因である器質的疾患から精神的因子によるものまでそれぞれについて解説をされている[4]
 
  1. 女性の性交障害はよくみられるものの、その定義についてははっきりしていない。そのため国際的なコンセンサスカンファレンスが行われ、性交痛についてもその1つの項目として分類された(G)。
  1. まとめ:性交障害の定義や分類に関する国際的コンセンサスの構築のために開かれ、1999年に行われた多分野にまたがるカンファレンスの報告である[5]。5つの国から19人のエキスパートにより、性的欲求、興奮、オルガスムス、性交疼痛障害について精神的や器質的原因について分類を行った。性交疼痛障害は、性交痛、ワギニスムス、その他の性交を伴わない疼痛に分けられ、更にABCのサブタイプに分類された。
  1. A: lifelong vs. acquired type
  1. B: generalized vs. situational type
  1. C: etiologic orgin
 
  1. 腹腔鏡で明らかな異常を認めない慢性骨盤痛の患者であっても、病理学的異常を認めることは多く、その切除によって性交痛も軽快する(O)。
  1. まとめ:腹腔鏡で明らかな異常を認めない慢性骨盤痛の患者に対し、仙骨子宮靱帯の切除を行いその病理学的異常をみた論文である[6]。その結果7.4%に子宮内膜症、11.1%に卵管炎、51.9%に炎症を認めた。また術後に月経困難、性交痛、非周期的疼痛のすべての慢性骨盤痛が有意に軽快した。
  1. 結論:腹腔鏡で明らかな異常を認めない慢性骨盤痛の患者であっても、病理学的異常を認めることは多く、その切除によって性交痛も軽快する。
 
  1. 性交痛のリスクファクターとしては、閉経、骨盤炎症性疾患の既往、性的虐待、不安、うつが挙げられる(S/CS)。
  1. まとめ:骨盤痛のリスクファクターに関するmeta-analysisの論文で、その1つである性交痛についても検討がなされている論文である[7]。性交痛のリスクファクターについては、19の研究で18,601人に対し14の因子に関しての検討がなされている。
  1. 結論:閉経、骨盤炎症性疾患の既往、性的虐待、不安、うつが有意なリスクファクターとして挙げられている。日本ではほとんどみられないが、割礼は有意ではないもののその可能性がある。
 
  1. 性交痛は、女性の8~22%が生涯のいずれかの時点で経験する症状である(S/CS)。
  1. まとめ:月経困難症、性交痛、非周期性疼痛の3つの慢性骨盤痛について、全世界的にどれくらいの女性が罹患しているかを調査したWHOのreviewである[8]。合計178の研究がメタアナリシスに用いられ、月経困難症は106編(対象者数:124259人)、性交痛は54編(対象者数:35,973人)、非周期性疼痛は18編(対象者数:301,756人)が質の高い論文として挙げられた。
  1. 結論:月経困難症は16.8~81%に、性交痛は8~21.8%に、非周期性疼痛は2.1~24%の女性が罹患していることが判明した。
 
  1. 更年期女性の性生活の現状と問題点―女性外来の調査から―(O)
  1. まとめ:女性専用外来を受診する更年期女性の調査[9]によると、性生活がなくなった理由として最も多かったのは性交痛であった。また性交痛は40歳代、50歳代の約半数に認められており、更年期症状に悩む女性にとって、性交痛が配偶者との性交の継続に影響を与えていることがうかがえる。
 
  1. 更年期の性交痛の機序(O)(参考文献:[10]
  1. まとめ:更年期には、腟の機能低下による血流低下により分泌物の減少、コラーゲンの硝子化、エラスチンの崩壊、腟結合組織の増殖、腟内環境の中性化といった変化が生じ、腟の乾燥や感染が起こりやすくなり、その結果、不快感・かゆみ・性交痛などの腟症状が生じる。
問診・診察のポイント  
 
  1. 性交痛については、多くの女性が医師などに話しづらいと感じており、十分な問診・相談ができるような環境整備が必要である。特にワギニスムスなど心因性に由来する疾患の場合には重要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
倉林工 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:小林裕明 : 講演料(MSD(株),中外製薬(株),アストラゼネカ(株),(株)メディカロイド),研究費・助成金など(シスメックス(株),(株)メディカロイド),奨学(奨励)寄付など(中外製薬(株))[2024年]

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