今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 梶原 健 埼玉医科大学病院 産婦人科

監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学

著者校正/監修レビュー済:2023/10/25
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編 2023
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023」の発刊に伴いレビューを行った。
  1. 本ガイドラインでは解説が一部変更されたが、本臨床レビューの内容においては変更なし。

概要・推奨   

  1. 早発卵巣(機能)不全(POI)と診断された場合には、内分泌学的検索や遺伝子的検索により原因を検索することが推奨される(推奨度2)
  1. 挙児希望がない場合はホルモン補充療法(HRT)を行う(推奨度2)
  1. 挙児希望がある場合は早期に専門とする医師に紹介する(推奨度2)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 早発閉経(premature menopause)は卵巣機能が不可逆的に消失した場合の診断名であり、早発卵巣(機能)不全(Primary ovarian insufficiency、POI)はこれらの病態を包含した診断名と位置づけられる。
  1. 排卵障害の病態としてWHOのgroup3に該当する。
  1. POIは40歳未満の続発性無月経で、少なくとも1カ月以上間隔をおいて2回測定し血中FSH値が25mIU/mL以上で低エストロゲン値の場合に診断される。
  1. POIの頻度は40歳未満で約1%、30歳未満0.1%、20歳未満0.01%といわれている[1]。日本人女性では0.1%と報告されている[2]
  1. 原因はX染色体異常、遺伝性、自己免疫性疾患、医原性(手術、化学療法、放射線療法)など種々あるが、大部分は原因不明である。
  1. 治療の主体は、慢性的なエストロゲン欠乏による症状の改善と骨粗鬆症の予防のためのホルモン補充療法である。
  1. 挙児希望がある場合には、排卵誘発を行うが、一般に排卵を回復させ妊娠に至ることはきわめて困難であり、エビデンスの高い有効な治療はない。
  1. ただし、偶発例も含め5~10%妊娠が可能であるといわれている[3]
  1. 症例ごとの評価と治療計画の立案、さらには精神面でのサポートが重要である。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 卵巣手術の既往、放射線療法、抗がん薬などの治療の既往を確認する。
    過去に卵巣腫瘍摘出の手術を受けたことがないか? 白血病などで放射線療法、抗がん薬治療を受けたことがないか?
  1. 自己免疫性疾患、発達異常、脆弱X症候群、X染色体異常の家族歴がないか聴取する。POIの家系内集積の有無も確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
梶原 健 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:小林裕明 : 講演料(MSD(株),中外製薬(株),アストラゼネカ(株),(株)メディカロイド),研究費・助成金など(シスメックス(株),(株)メディカロイド),奨学(奨励)寄付など(中外製薬(株))[2024年]

ページ上部に戻る

早発卵巣不全

戻る