クラミジア感染症(婦人科) :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
野口靖之 愛知医科大学 産婦人科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. クラミジア感染症には、クラミジア子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、Fitz-Hugh-Curtis症候群などが含まれる。
  1. 性器クラミジア感染症は感染症法5類感染症であり性感染症定点医療機関では週単位で届出をする必要がある。
  1. 世界的に最も頻度が高い性感染症として取り扱われている。また、25歳以下で高い罹患率を示す。無症候も多く、米国疾病管理予防センター(CDC)は、特に症状を認めなくても25歳以下の性活動を持つ女性、25~30歳でパートナーが変わった人、複数のパートナーのある人を対象としてクラミジアに対するスクリーニング検査の実施を推奨している。
  1. 性器淋菌感染症とクラミジア感染症は、臨床症状が一致しており、また重複感染することがある。このため、特に有症状例は、クラミジアと淋菌を同時検査して個別に治療を行う。
  1. また、感染者の治療にあたっては、パートナーのクラミジア感染を検査し、陽性であれば必ず治療を行う。
 
クラミジア子宮頸管炎:
  1. ポイント:
  1. クラミジア子宮頸管炎とは、性交渉によりクラミジア・トラコマチスが子宮頸部の円柱細胞に感染し発症する疾患である。感染時に帯下異常や不正性器出血を自覚するが、90%以上が無症状である。
  1. 妊婦がクラミジア子宮頸管炎を合併すると産道感染により新生児に結膜炎や肺炎を発症する。このため、妊婦は妊娠中にクラミジアの検査を行い、陽性例は出産までに治療を行う。
  1. 診断:
  1. 腟鏡診を行い易出血性の子宮頸管上皮と膿性粘液性分泌物の滲出を呈する粘液膿性子宮頸管炎の所見を認めたらクラミジアおよび淋菌性子宮頸管炎、腟トリコモナス症の鑑別を行う。また、悪臭を伴う帯下を認める場合は、一般細菌の感染を疑う。
  1. 子宮頸管擦過検体をスワブにより採取し、核酸増幅法によりクラミジアを検出する。
  1. 鑑別・合併症の評価目的で淋菌感染症は、培養法や核酸増幅法により、また腟トリコモナス症は、鏡検または培養法により評価する。
  1. 治療:
  1. 治療は、マクロライド、またはキノロン系経口抗菌薬により治療する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

クラミジア子宮頸管炎の評価例
  1. 子宮頸管擦過検体をスワブで採取し、クラミジアの有無を確認する。
  1. クラミジアによる子宮頸管炎は、核酸増幅法により診断する。核酸増幅法ができない場合は、核酸同定法、免役クロマト法、酵素抗体法を用いる 解説 。
○ 1)が最も推奨される。選択不可であれば2)~4)を選ぶ、評価する。

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PID鑑別診断のためのフローチャート
クラミジア・淋菌性子宮頸管炎の診断・治療の流れ
粘液膿性子宮頸管炎(Mucopurulent Cervicitis、MPC)
クラミジア上行性感染の病態と合併症
Fitz-Hugh-Curtis症候群でみられる肝周囲癒着
フィルム様癒着
感染症発生動向調査による定点把握性感染症の年次推移(女性:1987~2015年)
感染症発生動向調査による定点把握性感染症の年齢群別定点当たり報告数の年次推移(女性:クラミジア感染症)
腹部造影CT(門脈優位相)
腹部造影CT(動脈優位相)
著者校正済:2018/04/05
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