子宮筋腫 :トップ    
監修: 杉野法広 山口大学 産科婦人科学
平松祐司 岡山市立総合医療センター

概要

疾患のポイント:
  1. 子宮筋腫は婦人科腫瘍のなかで最も頻度の高い腫瘍であり、30歳代女性の20~30%、40歳以上の40%にみられる。昨今の晩婚化により妊娠して産婦人科を受診し発見されることも多い。
  1. 症状としては不正出血、過多月経、月経痛、腫瘤触知などがある。子宮筋腫の多くは多発性であり、性成熟期に腫大し閉経や卵巣摘出後には縮小するため性ステロイドが関与することが考えられている。妊娠中は約20%の筋腫が主に妊娠前半期に増大する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 外診、内診、経腹および経腟超音波で診断する。なお、エコー所見としては、筋腫は子宮内膜や筋層などに、子宮の正常部分と比較的明瞭に区別されるやや低エコーの類円形の充実性腫瘤として描出されることが多い。しかし、まれに、筋腫が変性を来し、低~高エコーまでさまざまな所見を呈し、卵巣腫瘍や子宮肉腫との鑑別が困難なこともある。
  1. 悪性腫瘍との鑑別が困難な場合や術前の評価などでは必要に応じてMRIによる評価を行う。MRI検査では、子宮筋腫は境界明瞭でほぼ類円形の形態を示し、T1強調像で正常筋層よりやや低信号、T2強調像では境界明瞭で均一な低信号の腫瘤として描出される。子宮腺筋症では境界は不明瞭で、限局性子宮腺筋症では肥厚した壁内にT2強調画像で内部に点状の高信号がみられる。この高信号は年齢や月経周期の影響もあり見えにくいこともある。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 一般に手拳大以上の大きな筋腫、過多月経・貧血などの症状の強い子宮筋腫は手術の適応となる。
 
治療:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 子宮筋腫は、良性の腫瘍であり約半数は無症状で経過する。したがって、通常、症状もなく、挙児希望もない場合は経過観察とし、3~6カ月ごとの定期検診を行い、筋腫の大きさや症状の変化を観察する。
  1. ①症状のあるもの、②挙児希望で不妊症・不育症の原因と考えられるもの、③挙児希望…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初期治療で実施すべきオーダー
子宮筋腫全般の評価:
  1. 超音波検査(経腹、経腟)、CBC、血栓症検査、MRI検査
  1. 問診、外診、内診で子宮筋腫が疑われた場合は、まず超音波検査を行い、子宮筋腫の大きさ、性状、部位を観察する。子宮腺筋症、子宮肉腫との鑑別も行う。
  1. MRI検査を行い、さらに上記所見を再確認する。妊娠合併例ではMRIは第2三半期以降に実施する。多くの場合、過多月経があり貧血を合併しているため貧血の検査を行う。大きな筋腫の場合は、血栓症の検査としてDダイマー、可溶性フィブリンモノマー複合体を提出する。
 
鑑別疾患の評価:
  1. 粘膜下筋腫:
  1. 子宮腔内に生理食塩水を流しながら超音波検査を行うHysterosonograpy、ファイバースコープ、あるいは不妊患者では子宮卵管造影を行う。
  1. 子宮腺筋症が疑われる場合:
  1. CA125の測定を行う。子宮腺筋症ではCA125が高値を認めることがある。
  1. 子宮肉腫が疑われる場合:
  1. LDH測定を評価する。子宮肉腫ではLDHが高値になることがある。
○ 子宮筋腫の鑑別、状態把握には、下記1)~8)を適宜行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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子宮筋腫の取り扱い
妊娠時の子宮筋腫の取り扱い
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10


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