妊娠悪阻 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
東島愛 長崎大学 産婦人科

概要

疾患のポイント:
  1. 妊娠悪阻とは、いわゆる「つわり」の重症型である。妊娠5~6週前後からみられる初期の悪心・嘔吐・嗜好の変化などの症状を総称して「つわり」という。程度はさまざまであるが、全妊婦の80~90%に認められる一般的な症状である。
  1. 経産婦より初産婦に多い。妊娠7~12週をピークとして、症状の多くは一過性であり、妊娠12~16週までに自然に消失するが、20~30%の妊婦は妊娠20週以降、時に分娩まで症状の遷延を認める。
  1. 悪心・嘔吐は早朝の空腹時に多くみられ、唾液の分泌亢進や嗜好の変化、全身倦怠感を訴えるものも少なくない。また、脱水による皮膚の乾燥や、動悸、乏尿、不眠などがみられることもある。
  1. つわりと妊娠悪阻の主な違い:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断は問診と尿検査および体重測定で行う。
  1. 妊娠悪阻とつわりの両者に明確な線引きはできないが、ほぼ毎日嘔吐し、尿中ケトン体陽性で、持続的に体重が減少する場合、特に5%以上の体重減少を認める場合に、妊娠悪阻と診断する。妊娠悪阻が疑われる場合は、血液検査により脱水の程度、電解質バランス、肝機能・腎機能障害などの有無に関する評価を行う。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 頻回(1日5回以上)に嘔吐し、体重減少が続く場合、特に5%以上の体重減少を認める症例は重症と診断する。
  1. つわりが重症化して妊娠悪阻と診断され、入院加療を要する妊婦は全体の1~2%であるが、妊娠悪阻の約10%は妊娠全期間にわたり症状が遷延する。
  1. 生命を脅かす妊娠悪阻の重篤な合併症:<図表>
 
治療: >詳細情報 
  1. つわりの段階で医学的介入を行い、妊娠悪阻への進展を予防する。少量・頻回に食事をとる。刺激の強い食べ物を避けるなどの食事療法を行う。 解説 
  1. 妊娠中の悪心・嘔吐に対する食事療法:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

妊娠悪阻の診断例
  1. 毎日嘔吐し、尿中ケトン体陽性で、持続的に体重が減少する場合、特に5%以上の体重減少を認める場合に、妊娠悪阻と診断する。
○ エネルギー代謝のバランスを評価するため、1)により尿ケトン体の有無を確認する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

妊娠中の悪心・嘔吐に対する薬物治療のアルゴリズム
つわりと妊娠悪阻の主な違い
生命を脅かす妊娠悪阻の重篤な合併症
著者校正/監修レビュー済
2018/06/21


詳細ナビ