羊水過多、過少 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
坂井 昌人 東京ベイ・浦安市川医療センター 産婦人科

概要

ポイント:
  1. 羊水過多・過少の診断は超音波断層法で行うのがよい。羊水量の測定は(amniotic fluid index、AFI)、または、羊水ポケット(maximum vertical pocket、MVP)の計測によるのが一般的。正常値は8cm≦AFI≦20cm,2cm≦MVP<8cmである。
  1. 羊水過多も羊水過少も原因、発症時期により治療方針や児の予後に大きな違いがあるため、過多・過少が診断されたら、まず、原因の検索を行う。
 
羊水過多の原因の評価:
  1. 羊水過多の6割は原因不明という。羊水過多の大部分を占める軽度~中等度過多では自然軽快もあり得る。原因不明の軽度~中等度羊水過多には、胎児が大きめだが妊娠糖尿病ではない例が多く、それらの児の多くは予後良好である。しかし原因不明とされる羊水過多には、原因が超音波検査等では診断できないものが含まれるため、児転帰は不良のことがある。
  1. 羊水過多では子宮増大による早産や破水のリスクがある。破水時に多量の羊水流出とともに臍帯脱出が起こるリスクがある。子宮壁の過度伸展により微弱陣痛、子宮収縮不全、弛緩出血などのリスクがある。
 
羊水過少の原因の評価:
  1. 妊娠中期以降に発症する羊水過少では児の予後評価が重要となるため、原因検索に力を入れる。妊娠中期の高度な羊水過少では前期破水、胎児腎機能が期待できない腎無形成、低形成、異形成、染色体異常など児の生命予後不良な例が多い。軽度~中等度の羊水過少では原因不明が多いが、児予後は良好なことも多い。
  1. 羊水過少では分娩時の子宮収縮による臍帯圧迫のリスクがある。また、妊娠22週以前などの早期からの過少が持続した場合には児の胸郭圧迫により胸郭発育・呼吸様運動が阻害され、胸郭低形成・肺低形成のリスクが生ずる。低形成が高度な場合は生命予後不良となる。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 羊水過多・過少の診断は超音波断層法で行うのがよい。羊水量の測定はAFI(amniotic fluid index)( 解説 )、または、羊水ポケット(maximum vertical pocket、MVP)( 解説 )の計測によるのが一般的。正常値は8cm≦AFI≦20cm、2cm≦MVP<8cm。AFIのほうがやや優れるとされるがどちらも精度はあまり高くない。
  1. AFI≧25(24)cmまたはMVP≧8cmのとき、羊水過多と診断する。
  1. AFI<5cmまたはMVP<2cmのとき、羊水過少と診断する。
  1. 原因や発症時期により治療方針や児の予後に大きな違いがあるため、過多・過少が診断されたら、まず主な原因のリスト( 鑑別疾患 )を参考に原因の検索を行う。 >詳細情報 
○ 羊水過多・過少が疑われる場合、羊水過多・過少の診断となり原因を評価する必要のある場合は1)を行う。

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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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羊水過多・過少の取り扱い
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27


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