分娩遷延 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
徳永昭輝 とくなが女性クリニック

概要

疾患のポイント:
  1. 遷延分娩は、分娩が開始してから(陣痛周期が10分以内)、初産婦30時間以上、経産婦15時間を経過しても児娩出に至らないものと定義されている(日本産科婦人科学会編:産婦人科用語集)。
  1. また、Friedmanらは、分娩時間と頸管開大度との関係をFriedman曲線(分娩開始から時間経過と子宮口開大度と児頭下降度の標準的な関係をグラフにしたもの<図表>)によって正常分娩のデーターに基づいて遷延分娩を分類している。
  1. 分娩第1期では全分娩の3~4%、分娩第2期では全分娩の約8%に遷延分娩を認めるといわれる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断は、パルトグラムとFriedman曲線により分娩の遷延の有無をチェックすることでされる。
  1. Friedman曲線:<図表>
  1. 分娩時間と頸管開大:<図表>
 
原因の評価:
  1. 分娩遷延の原因の究明:遷延分娩では、分娩の3要素の異常が考えられるので、微弱陣痛、軟産道強靱、体位・胎勢の異常、巨大児などの有無をチェックする。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 分娩所要時間が、初産婦で30時間を超えると吸引・鉗子分娩、帝王切開、胎便による羊水混濁および新生児仮死が有意に増加し、経産婦でも15時間を超えると吸引・鉗子手術、帝王切開および新生児仮死の頻度が有意に増加する。
  1. ただし、分娩経過には個人差があり、分娩進行が遷延と判断される場合でも、問題のないことも多い。
 
治療: >詳細情報 
  1. 分娩が遷延している場合、原因の究明(微弱陣痛、軟産道強靱: >詳細情報 、児頭骨盤不均衡: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

遷延分娩時の医療介入
  1. 異常胎児心拍パターンの有無のチェックを行い、児頭固定後の場合は、人工破膜により分娩時間の短縮を期待する。
  1. 異常胎児心拍パターンが出現した場合は、急速遂娩を行う。
○ 1)にて監視を行い、児頭固定後は2)を、胎児心電図異常時は3)を考慮する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

遷延分娩のprospectiveな診断法
Friedman曲線
分娩時間と頸管開大
母体の発熱(≧38.0℃)下での分娩中は連続的胎児心拍数モニターを行う。
「遷延分娩」の陣痛促進中の人工破膜
鑑別疾患
分娩が遷延している場合の対応
「遷延分娩」に対する子宮収縮薬投与による陣痛促進中の母体・胎児管理
微弱陣痛が原因で分娩が遷延したり、遷延分娩が懸念される場合の医療介入
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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