妊娠中の血栓塞栓症

著者: 小林隆夫 浜松医療センター

監修: 金山尚裕 静岡医療科学専門大学校

著者校正/監修レビュー済:2020/09/03
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会編:産婦人科診療ガイドライン―産科編2020, CQ004-1妊娠中の静脈血栓塞栓症(VTE)の予防は? p8-12, 日本産科婦人科学会, 2020.
  1. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会編:産婦人科診療ガイドライン―産科編2020, CQ004-2 分娩後の静脈血栓塞栓症(VTE)の予防は? p13-17, 日本産科婦人科学会, 2020.
  1. 日本循環器学会,日本医学放射線学会,日本胸部外科学会,日本血管外科学会,日本血栓止血学会,日本呼吸器学会,日本静脈学会,日本心臓血管外科学会,日本心臓病学会,日本肺高血圧・肺循環学会編:肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版). 2018年3月23日発行(https://j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2017_ito_h.pdf)

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概要・推奨  

  1. 妊娠初期にVTEの発症リスクを評価し、妊娠中の予防法について検討する。また、妊娠中に新たなリスク因子が生じた場合は予防法を再検討する(推奨度3)。
  1. リスク因子(悪阻時の脱水、長期安静臥床、肥満、高齢など)のある妊婦には下肢挙上、膝の屈伸、足の背屈運動、弾性ストッキング着用などを勧める(推奨度3)。
  1. 妊娠中に抗凝固療法を施行すべき妊婦に対しては、産婦人科診療ガイドライン―産科編2020に準拠し、妊娠初期から未分画ヘパリン投与を行う(推奨度2)。
  1. ワルファリンは催奇形性のため妊娠中は原則として使用しないが、例外的に母体の心弁置換術既往例では考慮される(推奨度1)。
  1. 未分画ヘパリン投与開始5~7 日目頃に血小板数測定を行い、血小板数減少の有無について確認することを考慮する(推奨度3)。なお、HIT(血小板減少症、heparin-induced thrombocytopenia)の治療薬はアルガトロバンであるが、予防として使用する場合はフォンダパリヌクスが代替抗凝固薬となる(推奨度2)。
  1. 分娩後に抗凝固療法を施行すべき女性(褥婦)は、産婦人科診療ガイドライン―産科編2020に準拠して血栓症予防に努める(推奨度2)。
  1. 帝王切開を受ける女性では間欠的空気圧迫法(あるいは弾圧ストッキング着用)を行う(推奨度3)。
  1. 分娩後に間欠的空気圧迫法を行う場合、使用前に下肢の静脈血栓症を強く疑う場合は行わず、下肢静脈エコーなどを行う(推奨度2)。
  1. 帝王切開は砕石位を避け、仰臥位あるいは開脚位で行う(推奨度3)。
  1. 低用量未分画ヘパリン投与はヘパリンカルシウム(有益性投与)などを用い、帝王切開後に用いる場合は術後6~12 時間後より(止血確認後は直後からでも可)5,000単位を1 日2 回皮下注、3~5 日間投与する(推奨度2)。なお、帝王切開など手術をした場合は、低分子量ヘパリン(2,000単位を1 日2 回皮下注)(推奨度2)やフォンダパリヌクス(2.5mgを1 日1 回皮下注)(推奨度3)も保険適用となる。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 最新のガイドラインに基づき、改訂を行った。

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