高プロラクチン血症 :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
佐藤雄一 産科婦人科舘出張 佐藤病院

概要

疾患のポイント:
  1. 一般婦人における高プロラクチン血症の頻度は0.4%、生殖異常のある女性では9~17%の頻度といわれる。一方無月経女性の9%、多嚢胞性卵巣の17%にみられる。また、乳汁分泌を伴わない無月経患者の15%に高プロラクチン血症が認められる。
  1. 高プロラクチン血症を来す疾患の一部である、下垂体性PRL分泌亢進症は指定難病であり、重症度基準で中等症以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 月経異常や乳汁漏出がある場合にはプロラクチン(PRL)測定を行う。また、プロラクチン値が高い場合、甲状腺機能検査も行う。  解説 
  1. 高プロラクチン血症を認める患者では、血清プロラクチンを含めた卵巣機能検査(LH、FSH、E2、P、Tなど)を行う。
  1. 血清プロラクチン値は多くの因子に左右される。夜間および食事および排卵期近くで高くなるため、測定は月経開始7日以内、起床後数時間後で食事前、午前10~11時ごろに採血する。血清プロラクチン値は検査法により少し異なる。当該施設の検査法に照らして評価することが望ましい。
 
原因の評価:
  1. 高プロラクチン血症の原因は多岐にわたるが、実際に臨床現場で経験するものは大別すると、生理的因子(妊娠、授乳など)、下垂体疾患(プロラクチノーマなど)、薬物服用(スルピリドなど)、その他(甲状腺機能低下症など)に分けられる。特に、プロラクチンが異常高値(100ng/ml)以上の場合は下垂体腫瘍の存在を疑い、頭部造影MRI、視野検査などを行って評価する。
  1. 頻度の高い疾患としてはプロラクチノーマ34.3%、Argonz-del-Castillo症候群17.8%、Chiari-Frommel症候群12.8%、原発性甲状腺機能低下症5.2%、Acromegalyに伴うもの4.4%、間脳腫瘍2.6%などである。
 
治療: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 月経異常、排卵障害、乳汁分泌のある患者には血清プロラクチン測定を行う。(推奨度1)
  1. 卵巣機能、甲状腺機能検査も行う。(推奨度1)
  1. 乳汁分泌の程度を左右とも確認する。(推奨度1)
  1. 婦人科一般診療(内診、超音波断層検査)(推奨度2)
  1. 血清プロラクチン値が100ng/mlを超える場合には造影MRIを行う。(推奨度2)
○ 1)~4)を評価し、血清プロラクチン値が100ng/mlを超える場合には5)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

高プロラクチン血症の診断手順
高プロラクチン血症の治療計画
プロラクチノーマの治療計画
高プロラクチン血症の原因
高プロラクチン血症を起こす薬剤
著者校正/監修レビュー済
2017/01/20