梅毒(感染症科) :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
谷崎隆太郎 三重大学大学院 名張地域医療学講座、名張市立病院 総合診療科

概要

疾患のポイント:
  1. 梅毒とは、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum subsp. pallidum)によって起こされる慢性の全身感染症であり、病期や宿主の状態により幅広い臓器に多彩な症状を引き起こす。
  1. 症状はきわめて幅広く、積極的に疑うことが診断には重要である。
  1. 梅毒は、感染症法の五類感染症に分類され、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出る必要がある。感染経路は主に性交渉・オーラルセックスによるが、まれに経皮感染やほかの体液曝露による感染もあり得る。また、母子感染により先天梅毒を起こすこともある。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 病原体の培養が不可能なため、診断は臨床症状、病理所見、血清所見による下記のフローチャートに添って診断する。第一期梅毒では血清学検査が陰性のこともあり、臨床症状が疑わしければ治療することを検討する。妊娠中の女性における積極的な診断と治療は先天梅毒を防ぐために特に重要である。
  1. 第一期梅毒疑い例の診断フローチャート:アルゴリズム
  1. 第二期梅毒疑い例の診断フローチャート:アルゴリズム
  1. 血清学的検査:
  1. 血清学的検査には非トレポネーマ抗体検査とトレポネーマ特異的抗体検査があり、役割と特徴が異なる。「梅毒の既往があるかどうか」を見るのが梅毒トレポネーマ特異的抗体検査であり、「梅毒の活動性があるかどうか」を見るのが非トレポネーマ抗体検査である。
  1. トレポネーマ特異的抗体検査(TPHA・FTA-ABS・梅毒トレポネーマ特異的IgGなど)は、感度・特異度共に優れるが、抗体価は病勢とは関連せず、治療後も1度陽転後は陽性は持続する。 エビデンス 
  1. 非トレポネーマ抗体検査(RPR・VDRL・ガラス板法など)は、感度・特異度ともに劣るが、抗体価が病勢の指標となる。治癒後には基本的に陰性化する。
 
合併症: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

梅毒を疑う場合の血清学検査
  1. 梅毒の血清学検査には非トレポネーマ抗体検査と梅毒トレポネーマ特異的抗体検査があり、役割が異なる。「梅毒の既往があるかどうか」を見るのが梅毒トレポネーマ特異的抗体検査であり、「梅毒の活動性があるかどうか」を見るのが非トレポネーマ抗体検査である。梅毒トレポネーマ特異的抗体検査は特異度は高いが、陽性は必ずしも活動性を反映しない。それに対して、非トレポネーマ抗体検査の抗体価は活動性を反映するが、擬陽性もあり特異度は低い。
○ 以下の1)~2)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

第一期梅毒疑い例の診断フローチャート
第二期梅毒疑い例の診断フローチャート
第二期梅毒の手掌病変
梅毒の自然経過
非トレポネーマ抗体検査とトレポネーマ特異的抗体検査の組み合わせ
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


詳細ナビ