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梅毒(感染症科)

著者: 谷崎隆太郎 市立伊勢総合病院 内科

監修: 山本舜悟 京都市立病院 感染症科/京都大学 医療疫学(非常勤講師) 

著者校正/監修レビュー済:2020/02/14
参考ガイドライン:
  1. アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention(CDC)):Sexually transmitted diseases treatment guidelines, 2015

概要・推奨  

  1. 非トレポネーマ抗体検査は抗体価が病勢を反映することが有利な点であるが、さまざまな病態で偽陽性や偽陰性を示すため、梅毒トレポネーマ特異的抗体で確認することが必要である(推奨度1)。
  1. 梅毒の症状は非常に多岐にわたり、積極的に疑うことが診断には必要である(推奨度1)。
  1. 神経梅毒は後期梅毒の合併症とよく誤解されているが、実際にはあらゆる病期で起こり得る。何らかの神経症状のある場合(頭痛やめまいなど軽微な症状も含む)、HIV感染合併例、非トレポネーマ抗体価の高い症例(RPRで1:32以上)の場合には積極的に腰椎穿刺を行う(推奨度1)。
  1. 梅毒を疑う症例・梅毒と診断された症例では、必ず他の性感染症のスクリーニングも行う(推奨度1)。
  1. 梅毒の治療においては、常にペニシリンGが第1選択となるが、国内では筋注用ベンザチンペニシリンGが入手困難なため、第一期・第二期梅毒・潜伏梅毒(神経梅毒のない場合)にはアモキシシリンとプロベネシドの併用を使用する(推奨度1)。
  1. 患者本人がペニシリンアレルギーを申告する場合、それが本当にペニシリンによるアレルギー反応だったのか詳細に病歴を聴取する。必要ならペニシリン皮内テストやアレルギー専門家へのコンサルトも考慮する。可能な限り、ペニシリン系での治療を行うべきである(推奨度1)。
  1. 妊婦における梅毒では、有効かつ、胎児への安全性が確立している治療はペニシリンG以外にない。ペニシリンアレルギーのある患者では、ペニシリン脱感作が必要となる(推奨度1)。
  1. ペニシリンアレルギーのある患者における代替薬としては、一般的にはドキシサイクリンが推奨される。ペニシリンアレルギーがあるがセファロスポリン系は使用可能な場合、セフトリアキソンも有力な選択肢となる(推奨度1)。
  1. 治療が成功した場合、非トレポネーマ抗体検査の抗体価(必ず同じ方法を用いる)が6~12カ月以内に治療開始前の1/4以下になる。もし抗体価が低下しない場合や上昇に転じる場合、治療失敗・再感染・HIV感染合併などを考慮する(推奨度1)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント: 
  1. 定期レビューを行った。セフトリアキソン点滴の早期梅毒に対する治療効果の文献を追加した。梅毒患者における針刺し事故で感染した報告の文献を追加した。 


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