慢性中耳炎 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
阪上雅史 兵庫医科大学病院 耳鼻咽喉科

概要

疾患のポイント:
  1. 中耳炎は急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎の4つに分類される。そのうち、慢性中耳炎とは、反復性あるいは持続性の耳漏と伝音難聴を伴い、主に中耳の粘膜、骨の慢性的な炎症が起きた状態である。
  1. 慢性中耳炎は幼少時の急性中耳炎の遷延化や反復により、鼓膜に永久穿孔が生じて発症する。
  1. 感冒時などの活動期は膿粘性耳漏が主症状であるが、非活動期の耳内は乾燥していて難聴のみが症状である。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 幼少時より中耳炎を反復し、耳漏を繰り返し聴力が徐々に悪化する場合に考慮する。
  1. 側頭骨高分解能CT所見(軸位断と冠状断)で、乳突部・鼓室腔の陰影(<図表>)や石灰化をみる。MRIは得られる所見が少なく、通常は必要でない。
  1. 右慢性穿孔性中耳炎の鼓膜:<図表>
  1. 右慢性穿孔性中耳炎のCT像(軸位断):<図表>
  1. 両側慢性穿孔性中耳炎の聴力像(混合難聴):<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 手術治療による慢性穿孔性中耳炎の鼓膜閉鎖率は90%以上である。
  1. 聴力改善率も80~90%と良好であるが、石灰化を伴う鼓室硬化症の場合、特にアブミ骨固着の場合、聴力改善率は不良である。
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

慢性中耳炎の治療例
  1. 耳漏の出現など急性増悪に対しては保存的治療で対処できるが、根治治療は手術療法である。鼓膜穿孔が存在すれば、徐々に聴力が悪化するため、原則的に手術適応となる。
  1. 保存的治療は、肉芽やdebrisの除去などの局所清掃、点耳薬(抗菌薬、ステロイド薬)などの投与、抗菌薬の点滴である。
  1. 耳漏出現時(急性増悪時)の治療
○ 1)もしくは必要に応じて1)2)を併用する。

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薬剤監修について:
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慢性中耳炎のアルゴリズム
右慢性穿孔性中耳炎鼓膜石灰化
左慢性穿孔性中耳炎
左二次性真珠腫
両側慢性穿孔性中耳炎の聴力像(混合難聴)
右慢性穿孔性中耳炎のCT像(軸位断)
右慢性穿孔性中耳炎
著者校正/監修レビュー済
2018/04/02


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