食道異物・気管異物 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
平林秀樹 獨協医科大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科

概要

疾患のポイント:
  1. 気管異物と食道異物では取り扱いが異なる。
  1. 異物を誤嚥した際、急に激しく咳をしたり、突然しゃべらなくなったり、よだれを流し始めたなどのエピソードの聴取が重要である。
 
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  1. ポイント:
  1. 気管異物の原因異物は、小児ではピーナッツなど豆類、成人では義歯などの鉱物異物と食物異物であることが多い。
  1. 初発症状は激しい咳発作である。しかし、異物が気管支の奥に迷入すると症状を訴えないこともある。放置をすると、感染を起こし、気管支炎・肺炎を合併することがあるため、注意が必要である。また、保存的治療に抵抗する気管支炎・肺炎の場合は、気道異物を疑う必要がある。
  1. 治療方針:
  1. 治療方針の基本は下のアルゴリズムに示すごとく、呼吸困難の程度、気道狭窄の程度により、緊急対応の必要性を判断する。小児での単純X線の吸気呼気撮影は異物の有無と左右の局在の診断に有効である。透視検査も縦隔の呼吸性の動揺を判断することにより、異物の存在を診断できる。疑い例はCTまたはMRの検査も有用である。
  1. 気管・気管支異物は硬性または軟性気管支鏡を用いて摘出するのが常道である。ventilation bronchoscope(換気孔付き硬性気管支鏡)は気道を確保しつつ、異物に適した鉗子を選択し、全身麻酔下に摘出するのが最も安全な方法である。
  1. 気管異物治療のアルゴリズム(小児・成人):アルゴリズム
 
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  1. ポイント:
  1. 食道異物の原因異物は、小児ではコインや玩具であることが多く、成人では、義歯、PTP (press-through-pack)であることが近年多い。
  1. 食道粘膜の損傷を来し、術後に食道周囲膿瘍、縦隔洞炎、縦隔膿瘍などを併発する危険が増えている。
  1. なお、喉元すぎても、異物は損傷を起こすことがある。魚骨、PTP、義歯、針などによる下部消化管穿孔などの報告は意外に多く、最近3年間の国内報告だけでも150例を超えている。
  1. 診療方針:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

食道異物の検査例
  1. 小児では異物誤嚥には必ずその以前に、不注意や遊びなどの誘因となるエピソードがあり、その聴取は異物症の診断に最も重要である。
  1. 小児の食道異物は、自分では異物誤嚥を訴えないことも多いので、嚥下障害、流涎などの症状の観察が重要である。
  1. X線透過性異物の場合は頸部軟線撮影、食道造影検査、CT検査などを行う。食道入口部では頸部側面像が有用である。
  1. 食道内視鏡検査では、診断のみならずそのまま異物摘出術に移行することを踏まえ摘出鉗子などの準備が必要である。
○ 下記を病態に応じて適宜用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

気管異物治療のアルゴリズム(小児・成人)
食道異物摘出のアルゴリズム
ピーナッツ胸部吸気
LMA下気管支鏡
PTP異物
紙異物CT
食道入口部直下の魚骨異物
PTPとovertube
食道義歯異物
気管異物MRIピーナッツ
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01