中咽頭悪性腫瘍 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
朝蔭孝宏 東京医科歯科大学 頭頸部外科

概要

疾患のポイント:
  1. 中咽頭癌で最も多いのは側壁型、次が前壁型である。
  1. 近年HPV関連中咽頭癌が増加しており、これらの特徴として若年発症、頸部リンパ節転移、化学療法、放射線量への高い感受性、良好な予後などが挙げられる。HPVの代理マーカーとしては、p16免疫染色が広く用いられている。腫瘍細胞の75%以上でp16陽性の場合、HPV関連癌と判断する。
  1. それに伴い頭頸部癌取り扱い規約第6版からは、中咽頭癌のステージングがp16陽性例と陰性例で分けて規定されるようになった。
  1. 治療としては、口内法切除が可能であれば手術が第1選択。その他の症例はp16免疫染色によるステージング、年齢、既往歴、PS、患者の希望を吟味し手術、放射線治療に適宜化学療法を組み合わせていく。
 
緊急対応:
  1. 中咽頭癌は急性疾患ではないので、緊急対応が必要となることはまれである。しかし、進行癌では気道閉塞、腫瘍からの出血、誤嚥などを認めることがあり、そのような場合は気管切開術の適応を検討する必要がある。
 
診断:
  1. p16免疫染色は必須の検査である。またheavy smoker、heavy drinkerでは重複癌のスクリーニングのため上部内視鏡検査を行う。
 
治療:
  1. 頭頸部癌取り扱い規約第6版からはp16免疫染色の結果により、ステージングが分けられているが、HPV感染の有無による治療の個別化のエビデンスは確立していないため頭頸部癌診療ガイドライン2018年版ではp16免疫染色の結果は治療方針には反映されていない。すべての進行度において治療の基本方針は大きく分けて2つある。1つは原発巣切除±頸部郭清、もう1つは放射線治療±化学療法である。どちらを選択すべきかはcase by caseであるが、口内法切除が可能であれば手術が優先されるべきと考える。
 
臨床のポイント:
  1. p16免疫染色は必須の検査である。
  1. 悪性リンパ腫との関連が重要である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査
  1. 必ず全身検査、生検、画像検査を行う。
○ ルーチン検査に以下を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

頭頸部癌診療ガイドライン 2018年版より
中咽頭癌 TNM分類
中咽頭側壁癌
中咽頭前壁癌(舌根癌)
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04


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