下咽頭悪性腫瘍 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
篠﨑剛 林隆一 国立がん研究センター東病院 頭頸部外科

概要

疾患のポイント:
  1. 下咽頭の悪性腫瘍は、比較的まれな疾患である。頸部腫瘤、嚥下障害、嚥下痛、声のかすれ、耳痛などの風邪様の症状を認め、上気道炎と評価されて発見が遅れることがある。
  1. この癌の発生のピークは、男女ともに50~60歳の年齢である。男性に多く認められる。病理組織型では扁平上皮癌が大部分を占め、また、梨状陥凹由来の癌が最も多い。
  1. 過度のアルコール使用および喫煙が、下咽頭癌に対する危険因子である。
  1. 食道癌や頭頸部癌、肺癌の重複がしばしば認められる。 
 
診断: >詳細情報 
  1. 咽喉頭ファイバーで腫瘍の確認をすることで診断となる。同時に腫瘍の範囲、声帯の可動性を確認する。
  1. 下咽頭梨状陥凹扁平上皮癌のファイバー所見:<図表>
  1. 下咽頭腫瘍の生検にて確定診断される。病理所見は、ほとんどが扁平上皮癌であるが、紡錘細胞癌、小細胞癌、小唾液腺由来の癌、リンパ腫、肉腫、黒色腫などもまれに認められる。
 
ステージング・合併症の確認: >詳細情報 
  1. 内視鏡所見および画像検査で病期診断を行う。評価に、頭頸部の診察、上部消化管内視鏡と頸部・胸部の造影CTは必須である。
  1. 下咽頭癌 TNM分類 UICC 8版:<図表>
  1. 頸部リンパ節からの穿刺吸引細胞診も必要に応じて行う。
 
予後: >詳細情報 
  1. 症状が出て医療機関を受診した時点で進行したステージであることが多い。
  1. 表在癌の場合は、内視鏡切除で治療可能なことが多い。予後は良好である。
  1. 早期癌(ステージ1および2)の場合も、放射線治療や下咽頭部分切除術等によって喉頭機能を温存した治療を選択できる場合も少なくない。
  1. 進行癌(ステージ3および4)の場合は、喉頭全摘を伴う手術が必要になることが多い。
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査
  1. 咽喉頭内視鏡にて、気道評価、腫瘍の範囲、声帯の可動性を確認する。
  1. 上部消化管内視鏡、頸部胸部CTにて、食道・肺・胃・頭頸部の重複癌を検索する。また、上部消化管内視鏡では、食道側浸潤についても確認する。
  1. 手術もしくは放射線化学療法に向けて、採血を施行する。
  1. 呼吸困難、気道狭窄がある、もしくは近日中に予測される患者や経口摂取困難患者は入院加療を行う。
○ 下記を病態に応じて適宜選択する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

頭頸部癌診療ガイドライン2018
下咽頭癌 TNM分類 UICC 8版
下咽頭梨状陥凹扁平上皮癌
下咽頭梨状陥凹扁平上皮癌
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

改訂のポイント
  1. 頭頸部癌診療ガイドライン2018
  1. NCCNガイドライン2017
に基づき改訂を行った。


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