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腫瘍による脊髄圧迫

著者: 土井美帆子 県立広島病院 臨床腫瘍科

監修: 金子周一 金沢大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2020/11/06
参考ガイドライン:
  1. 日本臨床腫瘍学会:骨転移診療ガイドライン 2015年版
  1. 英国国立医療技術評価機構(NICE)ガイドライン:成人の転移性脊髄圧迫 2019年版
  1. 日本緩和医療学会:がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版

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概要・推奨  

  1. 病歴やCT検査で、悪性腫瘍に伴う脊髄圧迫が疑われる患者には、緊急MRI検査を考慮する。原発腫瘍の診断が未確定であっても、脊髄圧迫に対する治療を開始することが勧められる(推奨度1)
  1. 悪性腫瘍に伴う脊髄機能障害、神経根障害は、脊髄圧迫のほか、癌性髄膜炎、髄内転移、硬膜外膿瘍などがみられ、診断にはMRI検査が有用である。
  1. 脊髄圧迫を伴う患者のほとんどに背部痛を認め、しばしば運動機能低下や知覚変化、膀胱機能低下を認める。多発骨転移や骨転移診断後の経過が長い症例では、本病態の出現の可能性を念頭に置く必要がある(推奨度1)
  1. 脊髄圧迫症候群の診断の遅れは、運動機能の消失、膀胱機能低下や予後の悪化につながるため、迅速な診断が必要である。MRI検査は、硬膜外転移や脊髄圧迫の診断におけるゴールドスタンダードである(推奨度1)。
  1. 脊椎転移による脊髄圧迫症候群の患者における疼痛コントロールは重要である(推奨度1)。
  1. 神経症状を伴う脊髄圧迫症候群の患者では、コルチコステロイドの投与により神経症状の改善が得られる可能性がある。ただし、副作用としての、出血性胃潰瘍、せん妄などの精神症状、高血糖、感染などに注意が必要である(推奨度2)
  1. 病的骨折がみられず脊椎の支持性が破綻していない症例、脊髄麻痺症状を認めない症例、放射線感受性のある腫瘍、手術適応のない症例、手術後の症例に対し放射線治療を行う(推奨度1)
  1. 脊髄圧迫症候群に対する手術適応は、脊柱の不安定さ、脊髄圧迫の程度、腫瘍の放射線感受性、予後などを総合して判断する。また、全身状態や原発、転移臓器の状況などから予後を予測し、手術適応について検討する(推奨度2)。
  1. 腫瘍切除と脊柱再建術により、放射線単独よりも良好な疼痛緩和と歩行機能の回復が報告されている。一方で、小規模試験であることや患者背景の多様性が指摘されており、手術療法の選択は、手術の適応、原疾患の予後、生じうる合併症などを考慮して行う必要がある(推奨度2)
  1. 標準的放射線療法を受けた患者の10%の症例で、短期間(中央値4.5カ月)に再発を認める
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、全体を通して確認と改訂を行った。

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