胸郭出口症候群 :トップ    
監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター
井手淳二 熊本大学 関節再建先端治療学

概要

疾患のポイント:
  1. 胸郭出口症候群とは、第1肋骨、鎖骨、斜角筋で形成される胸郭出口およびその近傍における腕神経叢・鎖骨下動静脈の圧迫や伸張によって生じた上肢の痛みやしびれを有する疾患群である。
  1. 胸郭出口の解剖:<図表>
  1. 血管障害が主症状である血管性は少なく、約95%が腕神経叢刺激過敏状態を呈する神経性である。
  1. 腕神経叢圧迫と牽引による症状があり、診断・治療に当たっては、この異なる病態を区別して対応する必要がある。
  1. 腕神経叢圧迫型は男性に多く(2:1)、筋肉質で怒り肩を呈し、肩甲帯の不安定性はない。一方、腕神経叢牽引型は圧倒的に女性に多く(1:11)、なで肩・円背姿勢を呈し、肩甲骨の易下垂性がみられ、若年者に多い。
  1. 腕神経叢圧迫型胸郭出口症候群の典型的体型:<図表>
  1. 腕神経叢牽引型胸郭出口症候群の典型的体型:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 下記の症状と腕神経叢圧迫・牽引所見を認めることにより診断となる。
  1. 症状:
  1. 上肢の痛み・しびれ・だるさなどの上肢症状がある。
  1. 腕神経叢圧迫所見:
  1. 問診:挙上動作で症状が増悪する。
  1. 診察:鎖骨上窩に、腕神経叢のTinel徴候を認める。
  1. 腕神経叢のTinel徴候を調べる:<図表>
  1. テスト:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断方法・随伴症状の評価例
  1. ほとんどすべての患者で、単純X線(頚椎)を行う。必要に応じて、正中神経・尺骨神経伝導速度検査、頚椎MRI検査を行い、頚椎症などの鑑別疾患を除外する。
  1. 随伴症状として、頭痛、めまいなどの自律神経失調症状や精神症状を来すことがあるため問診を行う。
  1. 自律神経失調症状・精神症状の問診票
  1. 東邦大式医学指数問診票<図表>
○ 上記電気生理学的検査で末梢神経の絞扼神経障害を否定することで診断となる。必要に応じて3)による評価を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

胸郭出口症候群のアルゴリズム
胸郭出口の解剖
肩甲骨バンド
腕神経叢圧迫型胸郭出口症候群(type1)と腕神経叢牽引型胸郭出口症候群(type3)における症状誘発テストの有用性
腕神経叢ブロック(斜角筋間ブロック)
腕神経叢圧迫型胸郭出口症候群の典型的体型
腕神経叢牽引型胸郭出口症候群の典型的体型
上肢下方牽引症状誘発テスト
上肢保持症状軽快テスト
Roos test
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31


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