持続性心室頻拍 :トップ    
監修: 山下武志 心臓血管研究所付属病院
庭野慎一 北里大学病院 循環器内科

概要

疾患のポイント:
  1. 心室頻拍とは、心室起源の3連発以上の頻拍と定義され、30秒以上継続するか、あるいは停止に人的介入(薬剤投与や電気ショック)が必要なものを持続性心室頻拍と呼ぶ。心電図では幅広いQRS波形を示す。
  1. 頻拍に心室内変更伝導や副伝導路が関与する場合、上室頻拍でも幅広いQRS波形を示すことがあり、鑑別を要する。 >詳細情報 
  1. 起源が固定している場合は、QRS波形やRR間隔は一定になり、単形性心室頻拍と呼ばれる。起源が不定ないし不安定の場合にはQRS波形は変化し、多形性心室頻拍と呼ばれる。多形性心室頻拍が持続した場合は、臨床的に心室細動と同様の対処が必要となる。本稿で解説する持続性心室頻拍は、持続性単形性心室頻拍を指す。

診断: >詳細情報 
  1. 持続性心室頻拍は、心室起源の頻拍で、30秒以上継続するか、あるいは停止に人的介入(薬剤投与や電気ショック)が必要なものと定義される。心電図では幅広いQRS波形を示す。
  1. Wide QRS tachycardia(頻拍)を認める患者で心疾患の既往がある場合の9割以上、既往を認めない場合の8割程度が心室頻拍と診断され、上室頻拍の変行伝導と診断されることは珍しい。しかしながら、安易に心室頻拍と思い込まず、上室頻拍の変行伝導との鑑別を常に心掛けることが推奨される。 エビデンス 
  1. なお、房室解離が認められる場合、QRS波形が胸部誘導ですべて陽性または陰性である場合、QRS幅が160ms以上である場合、aVRでQ波が認められない場合は、心室頻拍の可能性が高い。また、頻拍持続中にwide QRSから突然narrow QRSに変化する場合、上室頻拍の可能性がきわめて高い。
  1. wide QRS頻拍診断時の対応:アルゴリズム
  1. QRS波形からのwide QRS頻拍の鑑別法:アルゴリズム
  1. 心室頻拍は、発作の持続時間や発生のパターンにより、持続性心室頻拍(sustained VT)、非持…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

緊急時の治療、評価例
  1. ポイント:
  1. 頻拍が持続した状態で来院した場合は、まずバイタルのチェックを行う。
  1. 可能な限り発作中の12誘導心電図の記録を心掛ける。
  1. 原因検索を行う(採血、12誘導心電図、X線写真、心エコー検査)。
  1. 虚血など原疾患があれば、その治療を優先する。
  1. 血行動態が不安定な場合の治療例:
  1. 意識がない場合は電気ショックによる停止を考慮する。
  1. 血行動態が安定している場合の治療例:
  1. 血行動態が安定していればライン確保のうえ、静注薬で停止を図る。
  1. ベラパミル(ワソラン)はベラパミル感受性心室頻拍のみで使用可能である〔比較的若年の男性で、右脚ブロック型+上方軸変位を呈し、QRS幅が比較的狭い(120~140ms)場合はベラパミル感受性心室頻拍を疑う〕。
  1. ベラパミル感受性心室頻拍以外の心室頻拍ではアミオダロン(アンカロン)やニフェカラント(シンビット)の静注が奨励されているが、医療施設に常備されていない場合や、薬剤投与準備に時間がかかる場合は、プロカインアミド(アミサリン)やリドカイン(キシロカインなど)の静注を行う。
  1. 静脈薬投与は必ず電気ショックを準備してから行う。
○ 原因評価のため1)~6)を行う。血行動態が安定していて、ベラパミル感受性の心室頻拍では、11)を用いる。それ以外では、7)8)(および9)10))から1つ選んで用いる。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

wide QRS頻拍診断時の対応
QRS波形からのwide QRS頻拍の鑑別法
心室頻拍の種類
不整脈源性右室心筋症(ARVC)
著者校正/監修レビュー済
2016/06/30


詳細ナビ