人工関節置換術後の感染 :トップ    
監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター
おおえ賢一 飯田寛和 関西医科大学 整形外科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 1) 術中培養陽性(手術中に2カ所以上の検体が陽性) 2) 術後早期感染(術後1カ月以内) 3) 遅発性慢性感染(術後1カ月~2年) 4) 急性血行性感染(呼吸器・尿路・皮膚などの先行感染や抜歯など)――の4つに分類される。
  1. 人工関節置換術後感染の頻度は、初回人工関節置換術で0.2~2.9%、人工関節再置換術で0.5~17.3%と報告されている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断は、1) 臨床症状 2) 局所症状 3) 血液検査 4) X線検査 5) 細菌検査 6) 術中所見 7) 組織学的検査――により、総合的に判断することが勧められているが、「外科医ないし主治医の判断」が最終診断となる。
  1. 創部の状態(熱感、発赤、腫脹、膿瘍、瘻孔などの有無)、血液・関節穿刺液検査の炎症所見、画像検査(単純X線、CT、MRI、骨シンチなど)を総合的に評価する。
  1. 診断に迷う症例は感染と考えたほうが安全であり、早期に治療を開始することが重要である。
  1. 初診時の単純X線像:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報  
  1. 創部状態の不良、複数の起炎菌、グラム陰性菌(特に緑膿菌)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)による感染は成績が悪い。
 
治療:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 発症より3週間以内で、インプラントが安定しており、軟部組織の状態が良好で、培養結果が陰性の場合には保存療法が可能な場合もあるが、多くは手術療法を行う。
  1. 保存療法:
  1. 関節穿刺にて細菌培養を提出したのち、抗菌薬投与を開始する。
  1. 手術療法:
  1. 手術の種類は、一期的再置換術、二期的再置換術、インプラント抜去、灌流などがあり、重…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. ほとんどすべての患者で、単純X線、血液検査、関節穿刺を行う。
○ 局所症状、全身状態より感染を疑ったら、まず1)、2)、3)の血液学的検査、4)の画像検査を行う。5)により膿・細菌を同定できれば確診に至るが、必ずしも細菌培養結果は陽性ではない。6)、7)、8)は補助診断として行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

感染人工関節治療のアルゴリズム
初診時の単純X線像
著者校正/監修レビュー済
2016/06/10