今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: おおえ賢一 関西医科大学 整形外科学講座

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2024/10/16
参考ガイドライン:
  1. 日本整形外科学会:日本整形外科学会診療ガイドライン第2版
  1. 第1回国際コンセンサス会議
  1. 米国感染症学会(IDSA
  1. 日本化学療法学会/ 日本感染症学会MRSA感染症の治療ガイドライン2019年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 前回改訂後に販売中止となった薬剤の処方例を更新した。

概要・推奨   

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 1) 術中培養陽性(手術中に2カ所以上の検体が陽性) 2) 術後早期感染(術後1カ月以内) 3) 遅発性慢性感染(術後1カ月~2年) 4) 急性血行性感染(呼吸器・尿路・皮膚などの先行感染や抜歯など)――の4つに分類される[1]
  1. 人工関節置換術後感染の頻度は、初回人工関節置換術で0.2~2.9%、人工関節再置換術で0.5~17.3%と報告されている[1]
  1. 診断は、1) 臨床症状 2) 局所症状 3) 血液検査(WBC、CRP、ESR) 4) 放射線検査(単純X線、CT、MRI、骨シンチ) 5) 細菌検査(術前、術中) 6) 術中所見 7) 組織学的検査――により、総合的に判断することが勧められているが、「外科医ないし主治医の判断」が最終診断となる[2][3]
  1. 従来の細菌培養法にてnegativeであっても、不顕性感染の可能性がある。
  1. 人工関節置換術後感染の本態は、インプラント周囲に形成されたバイオフィルムであり、基本的治療は「徹底的な郭清と適切な抗菌薬投与」である[4]
  1. 診断に迷う症例は感染と考えたほうが安全であり、早期に治療を開始することが重要である。
 
人工関節置換術感染の診断基準

人工関節置換術後感染の診断基準は、第1回国際コンセンサス会議による定義が最もスタンダードである。
現在、さまざまなアルゴリズムが報告されているが決定的なものはなく、総合的に判断することが重要である。
 
参考文献:
Parvizi J, Gehrke T, Chen AF: Proceedings of the International Consensus Meeting on Periprosthetic Joint Infection. Bone Joint J. 2013 ;95:1450-2.
 

出典

著者提供
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期、罹患期間を確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
おおえ賢一 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共(株))[2024年]

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人工関節置換術後の感染

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